閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー
作品情報
監督・キャスト
監督: 平山秀幸
キャスト: 笑福亭鶴瓶、綾野剛、小松菜奈、坂東龍汰、平岩紙、綾田俊樹、森下能幸、水澤紳吾、駒木根隆介、大窪人衛、北村早樹子、大方斐紗子、村木仁、片岡礼子、山中崇、根岸季衣、ベンガル、高橋和也、木野花、渋川清彦、小林聡美
日本公開日
公開: 2019年11月01日
レビュー
☆☆☆
劇場観賞: 2019年11月13日
原作を知らないのでこんな話なのかよく分からないのですが、あまりにも、あまりにもセキュリティ酷すぎね??!という不満が最後までモヤモヤになって残ってしまったよ。全部全部セキュリティのせいだ!!
あらすじ
長野県のとある精神科病院。
死刑執行が失敗し生きながらえた秀丸(笑福亭鶴瓶)。
幻聴に悩まされるチュウさん(綾野 剛)。
DVが原因で入院する由紀(小松菜奈)。
三人は家族や世間から遠ざけられながらも心を通いあわせる。
彼らの日常に影を落とす衝撃的な事件はなぜ起きたのか。
それでも「今」を生きていく理由とはなにか。
法廷で明かされる真実が、こわれそうな人生を夜明けへと導く―……(Filmarksより引用)
原作者は現役の精神科医
原作の帚木蓬生氏は現役の精神科医ということである。原作小説は1994年に発行され、1999年にも映画化されているらしい(未見)。第8回山本周五郎賞受賞……恐らく原作は名作なのだろう……。
いや、映画もそれぞれの心情は丁寧で、残酷だけれども温もりもあり、理不尽と希望が混在した良い人間物語になっている。
でもね……最後まで喉に刺さった小骨のように、「ないわーーこれはないわ――」が取れないの。ネタバレになるのでどんな点に不満があるのかも言えなくてモンモンとする。けれども、あちこち許せないでしょ。いい映画なのかも知れないけれども、いい話として終わらせるのはイヤ。
精神科の先生が書いた話なのだから、もしもこれが原作通りだとしたら、精神病院ってホントに酷い所。
これは「閉鎖病棟」ではなくて「無法地帯病棟」。
素晴らしき綾野剛
綾野剛さんは自分の位置づけに悩む患者を最高に重たく演じている。彼を見に行こうという目的ならば満足すぎる一本。
患者としての演技プランは公開されたばかりの『楽園』に寄せてしまいがちな気がするけれども、綾野さんは全く違うキャラクターを作っている。
患者だけれども、決して負け犬ではなく、生きる覚悟を持ったチュウさん。
小松菜奈さんも理不尽に耐える女性を好演。鶴瓶さんは良かったけれども、ちょっと、やっぱりソレは難しかったかなと思ってしまった重要シーンがある。
闘病系といえるのか…
「精神病院内の殺人事件を巡るサスペンス」のような気持ちで見に行くと肩透かし食らわせられるので気をつけて。あくまで、それぞれの登場人物の人生を描く人間物語。
観るのが辛いシーンも多い。
一人で生きる覚悟を後押しされる作品。
以下ネタバレ感想
そもそも「閉鎖」されてないよね。最初に施錠するシーンがあったけれども、あれは何のための鍵だったのだろうか。スタッフを守るため?
ヒデさんのような死刑に失敗した元囚人から、重篤そうな精神病患者から、痴ほう症っぽいお婆さんから、ユキちゃんのような特に何の問題も無さそうな子から、凶暴な犯罪者まで、みんな一緒に集団生活しているなんて、本気か……。
カラオケ大会のシーンなんて、あまりのノーセキュリティっぶりに唖然としてしまったわ。何でその男を連れて来たんだ。ないわーー……。
結局、一連の事件は全て病院のせい。裁判の時に看護師長さん、ユキちゃんが院内で性的暴行を受けたという真実を知って驚いた顔をしていたけれども、驚いてる場合じゃないから。私だったら病院を訴えるわ。
この話を成立させるには、医師・看護師含む院内のスタッフがもっと鬼畜で、患者に何の関心も示さず威圧するような人たちじゃなければならなかったと思う。
作中のスタッフはみんなイイ人たちだから、看護師さんに相談すればよかったのにね、って話になってしまう。
そして、ラストの鶴瓶が立った!のシーンは、ちょっと難しかったのではなかろうか。ひざ下が動いてしまっていたよ……。こんなことまでツッコんですいません。
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★前田有一の超映画批評★
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