『アウトレイジ』全員悪人、だからカッコいい

アウトレイジ

監督: 北野武   

出演: ビートたけし、三浦友和、椎名桔平、加瀬亮、國村隼、杉本哲太、塚本高史、中野英雄、石橋蓮司、小日向文世、北村総一朗
公開: 2010年6月

     

劇場で見そびれたので、2012年9月5日、テレビ東京地上波鑑賞。
ヤクザ映画は全く好きじゃないんだけど、これは面白かった。

そもそも、どうしてヤクザ映画が好きじゃないのかというと、所詮暴力に身を任せて世間様を騒がせる悪人なのに、映画になると仁だの義だの愛だの…なんだかお綺麗なヒーローみたいだから。

そういうのを振りかざして悲壮感タップリにドンドンパチパチやってるのが我慢ならないのである。

アウトレイジには、そういうお綺麗な描写がない。本当に冷徹に殺っていくんだよ。ドンパチではなくて「ドン!」だけなのである。人の命なんて冷たいくらいそれで終わりだ。
どうせお綺麗な仕事ではないのだ。それで充分じゃないかと思う。

人がいっぱい死んで面白いっていうのもなんだけど、鮮血が本当に美しい。
そして、椅子取りゲーム的。「島取り」は戦国時代の「国盗り」みたい。下々の暮らしの事なんか何も考えずに自分たちの欲望だけで取り合っているんだから、ある意味、武士もヤクザも同じかも。

これじゃ誰も信用できない。「全員悪人」だし、全員嘘つき。「義」なんてありゃしない。

しかし、従来の任侠映画が好きな人たちには、きっと許せない映画なんだろうな。
任侠世界も時代が変わるにしたがってゲーム感覚になっていくのかな、と思った。
人間って心が無くなると恐い!

でも、自分はこの方が好きなんだ。病んでて悪いか。バカヤローコノヤロー!

出演者はとっても豪華
たぶん、あなたの好きなあの俳優もこの俳優も悪い顔して出てくるに違いない。みんな「悪いからこそ」カッコいい。

ただし、描写はかなり痛いです。目を背けたくなるシーンが多々ある…その覚悟は必要かと。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


指、カッターで詰めるとか、耳に菜箸とか…歯医者とかーーーも~うぎゃーーーー!と思うシーンが多すぎたわ。

私、これ地上波で見たわけで、たぶんDVDで見直さないと…かなりカットされてますよね。そのまま地上波で流せる映画じゃないはずだ。

椎名桔平@水野の死に方…首がほとんど取れてるって …あれはまさに「処刑」だもの。   

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あんな事しなくてもいいじゃないか、と思ってしまう…。やる方がね、もうニヤニヤしてるのが怖すぎる。ゲーム感覚なんだね。

そういうシーンの1つ1つが脳に焼き付いてる。
こんな殺し合いが「カッコいい」なんていうやつはバカだ、と思いつつ言ってしまう「カッコいい」
自分の身に起きない事だと思っているから言える事であって……本当に恐ろしい殺し合いの馬鹿映画だと思う。

2012年10月6日には、続編『アウトレイジ ビヨンド』が公開決定らしい。

こういうクールなヤクザ映画だとよく解ったので、今度はたぶん観に行っちゃうと思う。また好きな人たちも出てるし。

しかし、桔平がもういないのは寂しいな~。

 

そして、生きてるんかい…大友

・「アウトレイジ」公式サイト office-kitano.co.jp/outrage/main.html

 

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