『悪夢探偵2』恐がりの恐がらせ

悪夢探偵2

英題 : ~ nightmare detective ~

作品情報

監督・キャスト

監督: 塚本晋也
キャスト: 松田龍平、三浦由衣、市川実和子、韓英恵、松嶋初音、安藤輪子、内田春菊、北見敏之、光石研

日本公開日

公開: 2008年12月20日

レビュー

☆☆☆

観賞: 2015年8月(BS映画チャンネル)

 
塚本晋也監督自身の原作小説『悪夢探偵2 怖がる女』の劇場版であり、前作『悪夢探偵』のPart2。

久しぶりに夜中に放送されているのを見たので記録。

前作は正直、ヒロイン(?)の方の棒(すいません…でもホント)ばかりが気になり、あまり入り込めずに終わったけれども、こちらの方は好き。断然好き。メッセージも明確でホラー的映像が冴えていて、悪夢の恐ろしさがたっぷり味わえて、そして、少し切ない。

このレビューは「見た」記録程度の短感です。ネタバレには配慮されていません。

あらすじ

“悪夢探偵”と呼ばれる影沼京一のもとに、新たな依頼者・雪絵がやってきた。”怖がりの同級生・菊川”が毎晩夢に現れると話す雪絵。同じ夢を見ていたというクラスメイトが、授業中に急死したというのだ。菊川に自分の亡き母の面影を見た京一は、雪絵の話に興味を持つ。異様なほどの怖がりだった母の逸子は、幼い京一を怖がり、世の中を怖がり、ついには生きることの恐怖に耐えきれず、自ら命を絶っていた。何がそんなに怖かったのか?逸子の思いを知りたいと願う京一は、菊川と接触を図るために雪絵の夢に入ることを決意する。……(「悪夢探偵2」Amazonプライムより引用)

怖がる女

「怖がる」というけれども、それを見ているこっちの方がよほど怖いよね。後ろ向きに移動して来たり窓からスルスル入ってきたり、よく分からない行動と映像ガチャ。顔がグチュグチュ回る演出はトラウマ級。

市川実和子と韓英恵の透明感

京一は菊川に母・逸子の面影を見たと言う。その共通点が「怖がり」なわけだけれども、儚げな透明感のある佇まいが似ていると思った。

2人共、傷つきやすくて、生きている世界に対応する術が少なくて、自分の居場所が分らない。

「怖がらせているんじゃなくて、怖がっているだけ」

イジメ、だめ、絶対

という話。

自分が危機に陥ってから、やっと反省し始めても遅い。

 
ラストの龍平の表情に持って行かれる。

「怖がる女」は京一にとっては、ただただ母を失ったトラウマ。
 

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