『フィリップ、きみを愛してる!』本当のキミはだれ?本当のキミはどこ?

フィリップ、きみを愛してる!
~ I LOVE YOU PHILLIP MORRIS ~

監督: ジョン・レクア、グレン・フィカーラ   

出演: ジム・キャリー、ユアン・マクレガー、スティーヴ・マクヴィカー、レスリー・マン、ロドリゴ・サントロ、フィリップ・モリス
公開: 20103月13日

    

DVD鑑賞。
劇場で予告を観て、面白そう!と思いつつも行く機会を逸し、DVDでいっか、と思いつつ借りるのを忘れ続けてやっと見た。

面白い!!

そして、

信じらんな~い!!

実話ベースなんだよね、これ。

「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」などを見たときにも思ったけれども、人間ってこんなに簡単に騙されるもんなのだろうか。信じてしまった人や見かけには弱いという事か。

スティーヴンは、親の愛情に欠けた幼少時を過ごし、ゲイの詐欺師になった。
ここら辺に、やはり幼少期に受ける心の傷が人格形成に大きく影響するのだという真実を見る。

・・・とは言え、この映画はそんなことは大して大きく取り上げない。
ひたすら、お金のかかるゲイ活動()のために詐欺を働き、バレては刑務所に入れられ、出てはまた詐欺活動に勤しむ1人のバカで哀れな男が滑稽に描かれる。

ジム・キャリーが、スティーブンにすごく合っていた。
失礼だけど、もうゲイにしか見えないほどに。

それにも増して、スティーブンに愛される天使のようなフィリップにユアンがピッタリ

も~可愛い本当に可愛い。♥
ユアンも可愛いなんて年じゃないはずなんだけどね。
家でスティーブンの帰りを待ってる様子なんて、もう、新婚の奥さんみたい。。

作品中では、ゲイに対する冷たい目線や差別などもなく、詐欺師のスティーブンの元妻と娘も天使のように理解してくれる存在で、だからこそスティーブンはやりたい放題である。

本人も…止めたいとは思っているんだろうけれども…一種の病気なんだよね。
「嘘つき体質」。割と身近にいるので解ります。
止められないんだよね。たぶん一生。
  フィリップきみを愛してる.png
 

そんなスティーブンが唯一心から失いたくない存在のフィリップ。
クライマックスまでの一連の流れがまた・・・。

耳に残る音楽と共に、流れるように運ぶストーリー。

ゲイに拒否反応のある方にも、絶対にお薦めできるハートフルな1本です。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


どっちも社会的大犯罪で刑務所に入っているわけではないのである。
ちょっと我慢すれば2人で普通に出所して仲よく暮らせるはずなのに・・・

それが待っていられない

命がけの脱獄、大物過ぎる詐欺のスケール・・・

「ゲイは金がかかる」

とスティーブンはいうけれども、相手はそんな物、大して望んでいないのに。

自分の事まで騙していると知った時のフィリップの怒りが可哀想すぎて・・・

止められない嘘。どんどん大きくなる嘘。嘘つき体質の愛は止まらない。

エイズを装う手法には唖然としたわ。
まさに命削ってます。

弁護士でも役員でも警官でもない。脱獄名人でもない。今はただ、きみを愛する男だ。

男色ものは本来苦手系なんだけど、普通の恋愛もの、しかも、本当に上質な恋愛映画のような感動で涙が溢れた・・・

・・・のに、なにあの最後のテロップ!!
(あれを見たとき、そういえば実話ベースだったと思い出した)

あの後もまだ繰り返して終身刑って・・・

本当に病気だな…フィリップ、きみは今、どうしてる!?

・「フィリップ、きみを愛してる!」公式サイト

 


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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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