ニシノユキヒコの恋と冒険
 監督: 井口奈己   
 出演: 竹野内豊、尾野真千子、成海璃子、木村文乃、本田翼、麻生久美子、阿川佐和子、中村ゆりか、藤田陽子、並樹史朗、田中要次 
 公開: 2014年2月8日
2014年2月12日。劇場観賞
 もう間違いなく竹野内豊がカッコ良くて可愛くて、そして許せない映画である。
 竹さまを観賞する…という目的で見に行ったとしたら満足はするけれども、ちょっと寂しい。
 タイトルとは違ってニシノユキヒコは恋も冒険もしない。
 いや…しているのかな。恋するための冒険を。
どちらかというと、ニシノユキヒコが7人の女たちに恋させるストーリー。
 恋をさせると言っても別に引っかけてやろうという意図は恐らく彼には無く…。
 ただ惚れてしまい、積極的に行き、何かの切っ掛けでダメになってしまうのである。
 女の方は…そりゃ夢中になるでしょ。竹さまの顔で優しくて楽しくて聞き上手な癒し系なのだから。
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 飄々とした態度。掴みどころのない行動や性格。
 何を考えているのか解りそうで解らない。
 モテる男の典型だ。
 いるよ、こういう人。
 そして、こういう男に夢中になってしまう女もいるよ。
 いるいる~あるある~…と思いながら見ている自分も痛い。
 本気でモテ男を好きになった事がある女性なら、この人たちの気持ちも解るに違いない。
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作中に出てくる調子外れなバンドの演奏のごとく、ものすごくゆったりした…ゆったりし過ぎた映画なので、その覚悟で見る必要はある。
 江ノ電から見える鎌倉の風景が懐かしかったり、猫が可愛かったり。
 女性たちの服がそれぞれのキャラに合った気負わないファッションなのも見どころの1つ。
 女たちの行動も「あるある」なんだよな~…何だ、この女、と思いつつも気持ちは解る。
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恋したくて恋しきれない男と不器用な女たちの物語。ただ、それだけ。
ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね
 まさか、幽霊の話だったとはね…。
 某ポータルサイトのネタバレがないはずの感想欄で先に「死んでしまうこと」を知っちゃったので、覚悟はしていたけれどもこういう流れとは。 
「見守る女」「堅い女」「未練の女」「自由な猫」「臆病な猫」「最後に会う女」そして「これからの女」。
今まで決して演技が上手いと思った事が無かった本田翼が、なかなか恐くて痛々しくて可哀想な女を好演していた。一番やっちゃいけない事をやってしまう人だよなぁ…。
 サユリさんは、ニシノユキヒコのことを
 「すごくモテるんだけど、振られてしまうの」
 と言っていたけれども、それも何か違う気がする。
 「振らせさせる」ように見える。
 ある瞬間からね、ふっと冷たくなるんだよ。
 だから女は去っていく。
 それでもみんなお葬式に来るんだもの。
 ニシノユキヒコという共通の思い出で盛り上がるお葬式。
その空間さえ癒しになるのだから、生きている時から死んでしまってまで神さまのような人だ。
 「私、パフェなんかホントは好きじゃない」
 「知ってた」
 みなみに「子どもらしい良い子」でいさせてあげた冒頭のシーン。
 パフェが来てもニコリともしなかったみなみの気持ちを知っていた。
人は死んでもすぐには魂は召されず、自分の葬式を見てから逝く…と聞いた事がある。
 これで消えちゃうんだな、と思ったら
 ラストのやり取りにホロっとした。
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