映画@見取り八段

自己満足映画批評ブログです。邦画・洋画などジャンル問わず観賞。劇場上映中作品のネタバレ感想は別枠で表記。ランキングは年末総評価まとめで。

『ヘンゼルとグレーテル』韓国版ダークファンタジー

ヘンゼルとグレーテル~ Hansel and Gretel / 헨젤과 그레텔 ~

  

監督: イム・ピルソン   
出演: チョン・ジョンミョン、シム・ウンギョン、チン・ジヒ、ウン・ウォンジェ、パク・ヒスン
公開: 日本未公開(2007年制作)


2013年3月24日。DVD観賞。

本当は恐ろしいグリム童話みたいなブラックな童話を描いた映画なのか、と思っていた。

日本未公開だという事だし、たぶん中途半端に怖くも楽しくもないんだろう。でも、そこそこ面白いといいな。程度の期待で見た1本。

これは、面白かった。

タイトルは「ヘンゼルとグレーテル」だけど、ストーリー自体は特にグリム童話のそれに擬えた物ではない。
しかし、童話「ヘンゼルとグレーテル」は重要な意味を持っている。

ウンスは幼い頃に別れた母親に会いに行くために山道を車で走っている途中、事故に遭い、森の中に車ごと投げ出される。気づくと辺りは真っ暗で、ランプを持った少女が自分の家に案内してくれるのだった。家の名前は「楽しい子供たちの家」。

お家の中はファンタジックなインテリア…。まるでオモチャの家のように可愛らしくて美しい。 

  

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家族は「おとうさん」「おかあさん」、長男・マンボク、長女・ヨンヒそして末っ子の次女・ジョンスン。

子どもたちは可愛いが、落ち着き払っていて何となく不気味。両親はなぜか落ち着きないのだった。ウンスが急いでいる状況や電話の事を伝えるとすぐに話をはぐらかそうとする。

この序盤の辺りは何となくコミカルだったので、滑稽だけど恐い…を目指しているのかな、と思っていた。

朝起きると妙にカラフルなお菓子が朝食として用意されていたりする…。子どもは大喜びだが両親は手を付けていない。
 

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しかし、話が進んでいくと可笑しいどころか恐ろしい真実が暴かれていくのだった。

子役さんたちの演技がとにかく素晴らしい。この子たちあっての映画。

 ヨンヒ役のシム・ウンギョンちゃんは、「サニー」でナミの子役をやっていた子だよね。
    

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「サニー」の時は田舎の少女って感じだったけど、こちらではお姫様のようなお嬢様っぷり。可愛い。

マンボク役のウン・ウォンジェくん。この子がまた凄い。激しさも切なさも…感情持って行かれる演技。何となく「誰も知らない」の頃の柳楽優弥を思い起こす…。
 

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恐さはあまりないものの(いや毎度ですが、ホラー慣れしてない方には恐いのかも汗.gif)、不気味さと段々明らかになるストーリーに引き込まれ、どっぷり浸って見てしまった。


最終的には……切ないです。

子どもたちがみんな幸せでいられる国。
あれば良かったのにね。

【関連記事】
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ヨンヒたちは、自分たちの面倒を見てくれる大人が欲しかった。
一緒に居てくれる大人がほしかった。
愛してくれるパパとママがほしかった。

「ヘンデルとグレーテル」は子捨ての物語だ。
この作品も子どもを捨てた大人たちから始まる物語だ。

悪い大人は罰を受けるべきだ。

と言うマンボク。
彼らは悪い大人しか見てこなかった。虐待を受け、友達はみんな殺された。

クリスマスの日。
サンタさんは彼らに言ったのだ。

これからは心で願うだけで、叶わない事などこの世に1つも無くなる。

だから、マンボクたちは悪い大人に罰を与えた。

お菓子の家を手に入れた。欲しい物はいくらでも出てきた。
でも、どうしても手に入らない物があった。
「親」だ。

悪い大人を嫌悪しつつ、良い大人を待ち続ける彼らの願っても願っても叶わない思いに涙した。

ウンスはきっと、産まれた子供を大切に大切に育てるだろう。
願いかなわなかった彼らの分も、大切に。

愛を与えられない子供は、善良な妖精になれない。

切ないファンタジーだった。


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