【幼獣マメシバ】一郎と一緒にオニ探し

幼獣マメシバ

  

監督: 亀井亨   
出演: 佐藤二朗、安達祐実、藤田弓子、高橋洋、笹野高史
公開: 2009年6月

軽~く痛い人たちを描いた物語である。

芝二郎は35歳の引きこもりニート。
父親は他界し、母親は以降行方不明。

二郎は、父の法事の日に出会った子犬・一郎と共にかくれんぼしてるらしい母親の行方を探す旅に出る。

・・と書くと、積極的に見えるかも知れないけれども実際には仕方なく行っている後ろ向きな旅である。

心の傷は人それぞれ。周りからは「ちょっと変」に思える人だっていっぱい葛藤を抱えている。

半径3キロ内でしか行動した事がなかった二郎が、初めて乗る電車。初めて出会う人々。無邪気な一郎の存在が二郎を様々な初体験に引き込んでいく。

二郎を演じる佐藤二朗が、面白い。引きこもりだが口は達者で、変な口調でブツブツと喋る姿が、何となくドラマの「裸の大将」山下画伯を連想させる。

マメシバ・一郎は、ひたすらカワユす~♥

所々に残る母親のメッセージに沿って動く二郎の旅は、後ろ向きながらも笑える。
滑稽だけど、泣ける。

終わってみると、え~~~! な話だけど、心に何処か暖かい物が残るファンタジー。 

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


変な口調で変わった行動で。。。

と二郎の可笑しさばかりがクローズアップされるけれども、出てくる人たちのほとんどが結構変な人たちだったりして。。。

可蓮は、かつて自分が失敗した事から逃げたくて地元を離れて暮らしている。明るく振る舞っているが、周りの人間が自分の悪口を言っているという妄想に捕らわれ続けている。

可蓮の叔父は、虚言癖の持ち主。

そもそも子供を旅行に連れて行くのが面倒だからって

通りの向こうには悪口をいう人ばかりが住んでいる。
その向こうの通りを越えると嘘つきばかりが住んでいる。
それでもお前はここを出たいのか?

って父親はどうよ。

この擦り込みが二郎の引きこもりの原因らしいから、ホント、子育ては恐ろしい。

そして、35歳の息子に対して壮大なかくれんぼを決行する母。

いや~。。。お父さん、まさか 。。。。。である。

息子がこの年になるまで何もしてこなかったの
とツッコミたくもなるけど。。。

こんな手間と金が掛かる計画で引きこもり治療とは。。。
もう盲愛だとしか言いようがない。

つまり、みんな、どっか痛い子でしょう。
でも、この痛さが妙に心地よかったりして。

人って、やっぱり何処かみんな病んでるのかな~。。。

とか微笑ましく見守る気になれる。

だから、たぶん、私はこの映画が
何だか好き
である、と思うのだ。

痛い子は痛い子に出会うと安心する。。。からかも知れない。

・幼獣マメシバ 公式サイト



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・象のロケット
★前田有一の超映画批評★

comment

  1. くう より:

    SECRET: 0
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    うんうん、チョ~カワユかったです~[絵文字:i-80]
    えっ、あれ女の子なんだ(◎-◎)
    >まあ、お母さんにとっては子離れと言うよりは
    > 新手の熟年離婚にも見えなくもなくて(苦笑)
    そういや、そうかも。。。^^;
    お父さんの遺影が妙に笑えたんだけど~。
    >ツッコミどころは満載なんですけれど見事にツボにハマッてしまったので、
    ・・・私もきっと痛い人(=・ェ・=)
    いやいや。。。。
    人間誰しも痛い人なんですよ。
    と私は思う[絵文字:i-237]

  2. sannkeneko より:

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    私「日本インターネット映画大賞」で助演女優賞(女の子なんだな、ウン)に
    に入れちゃったくらいですから^^;
    >こんな手間と金が掛かる計画で引きこもり治療とは。。。
    親戚から他人まで巻き込んでの一大プロジェクトですものねぇ。
    まあ、お母さんにとっては子離れと言うよりは
    新手の熟年離婚にも見えなくもなくて(苦笑)、
    実際お父さんは自業自得の部分が相当あって(~O~)
    笹野高史と志賀廣太郎が兄弟にキャスティングしたセンスも笑えました。
    >痛い子は痛い子に出会うと安心する。。。からかも知れない
    ツッコミどころは満載なんですけれど見事にツボにハマッてしまったので、
    ・・・私もきっと痛い人(=・ェ・=)

  3. くう より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    一郎、可愛かった~[絵文字:i-80]
    もうね~私が一郎と旅したいっす[絵文字:i-228]
    おりこうな犬だよね~。。。
    佐藤二朗さんは、やっぱり器用な役者さん♪
    この役はミョ~に合ってましたね(^▽^;
    おかしな人たちのおかしな話だったけど、おっしゃるように役者さんはみなさん素晴らしかったし、
    暖かい気持ちになれるお話でした♪

  4. KLY より:

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    もうね、犬苦手なんだけど一郎の愛らしさといったら堪らんす!
    んでまた佐藤二朗さんがこの役のために生まれてきたかのような変な奴で最高。(笑)
    なんだか意味解らんけどあの口癖が好きです。脇役も含め変わった空気感の作品だったけど、皆おかしな人をきっちり演じられる演技力を持った人たちだからこそ成立してるんですよね。

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