映画@見取り八段

自己満足映画批評ブログです。邦画・洋画などジャンル問わず観賞。劇場上映中作品のネタバレ感想は別枠で表記。ランキングは年末総評価まとめで。

『誰も守ってくれない』人の心の痛みを知る

誰も守ってくれない

  

監督: 君塚良一
キャスト:  佐藤浩市、志田未来、松田龍平、佐々木蔵之介、柳葉敏郎、石田ゆり子、木村佳乃、東貴博、佐野史郎、須永慶、冨浦智嗣、津田寛治、長野里美、佐藤恒治、飯嶋耕大、荒井萌
公開: 2009年1月24日


2009年1月28日 劇場観賞。

第32回モントリオール世界映画祭最優秀脚本賞受賞作品。


この映画を見て、まず、

こんな事になってしまったらどうしよう

と思ってしまった私は変ですか

変だと思った人が人の親だとしたら、その人は、とても幸せな人だと思うよ。


ある日、突然警察が家に踏み込んできて、疑いもしなかった自分の子供を連れて行く。昨日までは一緒にご飯を食べたりしていた家族が突然バラバラにされ、好奇の目に曝される。


悪夢としか思えない。

まさに「背筋が凍るねえ」


神戸小学生殺人事件の犯人・少年Aの親の手記を読んだことがある。

    

この映画のように、ある朝突然警察がやってきて、息子が連れて行かれ、事情聴取され家宅捜索され。。。その戸惑いと嘆きが著されていた。

自分の子供だけは、事件を起こさない
と誰が言い切れるだろう。

少年犯罪は、新聞に、テレビのニュースに、ネットに溢れているけれども、ひと昔前と違ってその容疑者は ほとんどが普通の家庭の子なのである。

彼らが突然キレる理由は何なのか解らない。

親が殴って育てていたからとか、受験体制の被害者とか、学校教育が悪かったからとか。マスコミは大抵騒ぐが、それがどの程度の真実味のある情報かは解らない。

好奇心や出世欲で吐き出されたマスコミやネットからの情報。
それが真実かどうかは誰にも解らないでしょう。


誰でも被害者の家族にも加害者の家族にもなる可能性がある時代。

そんな、まさにを描いた映画。


この映画を見ても、貴方は

加害者の家族も死んで詫びろ。

と言えるでしょうか


容疑者の妹を演じた志田未来は、行末恐ろしい目力女優。
ただ事態に巻き込まれていくしかない中学生の少女をリアルに表現。

マスコミから与えられた情報について、そして、ネットの在り方について、自分は何を信じるのか、について。

ぜひ、見て、そして考えて欲しい映画です。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 


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容疑者の家族の保護?何から?

と、指令を貰った時言っていた三島の表情が船村家に到着した時、驚愕に変わる。

保護するのは、執拗にカメラを向けるマスコミ。
そして、ニュースやネットを見た一般人。

つまり、私たちである。

ネットって恐い。

「電車男」では見知らぬネットの住人が主人公を応援してくれたが、ここでは見知らぬネットの住人がみんな敵である。


かつて子供を奪われ、被害者の家族になり、今は加害者の家族を匿う事になるペンションの本庄夫妻。彼らが唯一、この映画の中で両方の痛みを知った人たちだと言える。


自分の子供が事件に巻き込まれたら私だって佐々木蔵之介が演じる記者のように
加害者の家族にも罪を償って欲しい
と、思ってしまうかも知れない。

しかし、自分の子供が加害者になったら、

どうして何もしてないのに・・・

と、思ってしまうかも知れない。

両方の立場を深く考えさせられる。

誰かを守るということは、
  その人の心の痛みが分かるということ。



家族を守る決意をした沙織をこの後も「手紙」のような試練が襲うのかも知れない。


リベラの静かで美しい声音と共に、岸壁の上に立って、とりあえず1人で歩みを始めた少女と、過去を断ち切って次の山へと進み始めた刑事。
それぞれの姿が、決して後味悪くなく描かれたラストも良かった。


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