【実話ベース】作られた話よりも恐い。実際の事件を描いた映画10選

「事実は小説よりも奇なり」といわれますが、人間のやる事は時に創作物よりもずっと残酷で恐ろしい。ここでは、実際の事件をベース、あるいはモチーフにした映画をまとめました。

実在の事件ベース映画まとめ

【実話ベース】作られた話よりも恐い。実際の事件を描いた映画10選

モンスター

原題:MONSTER
制作年:2003年
制作国:アメリカ
監督:パティ・ジェンキンス
公開:2004年9月25日
上映時間:109分

キャスト:
シャーリーズ・セロン
クリスティーナ・リッチ
ブルース・ダーンリー・ターゲセン
アニー・コーレイ
プルイット・テイラー・ヴィンス

アイリーン・ウォーノス(Aileen Wuornos、1956年2月29日 – 2002年10月9日)はアメリカ合衆国の連続殺人犯である。1989年から1990年にかけてフロリダ州で7人の男性を殺害したが、その全てについて、娼婦として働いていた時にレイプされた、またはされそうになったためと主張した。彼女は、有罪判決を下され、6件の死刑宣告を受け、2002年に薬物注射によって死刑が執行された。

実在した娼婦の連続殺人犯、アイリーン・ウォーノスをモデルとして描かれた作品。育ってきた環境が1人の人間の尊厳を傷つけ悲劇を生むのだという事をしみじみ実感させられる。目を覆うのは悲惨な映像よりも主人公の気持ちが切なすぎるから。アイリーンを演じたシャーリーズ・セロンのキャラクター作りに究極の女優根性を見た。

 

誰も知らない

制作年:2004年
制作国:日本
監督:是枝裕和
公開:2004年8月7日
上映時間:141分

キャスト:
柳楽優弥
北浦愛
木村飛影
清水萌々子
韓英恵
YOU
加瀬亮
寺島進
遠藤憲一
平泉成

巣鴨子供置き去り事件(すがもこどもおきさりじけん)は東京都豊島区で1988年に発覚した保護責任者遺棄事件。父親が蒸発後、母親も4人の子供を置いて家を出ていき、金銭的な援助等を続けていたとはいえ実質育児放棄状態に置いた。

1988年に発覚した「巣鴨子供置き去り事件」をモチーフとして描かれた作品。「子どもは親を選べない」という事をしみじみ実感する。大人の助け無くして生きていけないはずの子どもたちを放置するネグレクトの闇は深い。実際の事件では本作よりももっと悲惨なことが起きていたようだが、映画は悲劇でありながらも是枝監督の優しい眼差しが感じられる。

 

レビュー : 『殺人の追憶』感想

殺人の追憶

原題:MEMORIES OF MURDER / 살인의 추옥
制作年:2003年
制作国:韓国
監督:ポン・ジュノ
公開:2004年3月27日
上映時間:130分

キャスト:
ソン・ガンホ
キム・サンギョン
パク・ヘイル
キム・レハ
ソン・ジェホ
ピョン・ヒボン
パク・ノシク
チョン・ミソン
コ・ソヒ
リュ・テホ

華城連続殺人事件(ファソンれんぞくさつじんじけん)は、1986年から1991年にかけて大韓民国の京畿道華城郡(ファソン)(現在の華城市)周辺で10名の女性が殺害された未解決事件で、韓国史上最初の連続殺人である。2003年公開の韓国映画、『殺人の追憶』はこの事件をモチーフにしている。2006年4月2日に、最後の事件の公訴時効が成立、全ての事件について犯人を訴追することが出来なくなった。

韓国の三大未解決事件といわれる「華城連続殺人事件」をモチーフとして描かれた作品。(後の2つは1991年に起きた「城西小学生失踪事件」と「イ・ヒョンホ君誘拐殺人事件」どちらも映画化されている)。事件自体は未解決であり、ゆえに映画はあくまでも事件をなぞった創作である。時に不謹慎と思われるほどのコミカルなシーンと暗闇に落ちる展開の融合はポン・ジュノ監督の真骨頂。ラストまで引き込まれ、やりきれない気持ちを引きずる傑作。

殺人の告白

『殺人の告白』お前は俺の広告塔
「映画@見取り八段」では「『殺人の告白』お前は俺の広告塔」のレビュー・批評・あらすじ・キャストなどの情報をお届けしています。劇場上映中作品のネタバレ感想は別枠で表記。
未解決事件は作り手の創作欲も湧くと思われ、「華城連続殺人事件」はチョン・ビョンギル監督『殺人の告白』でも描かれている。『殺人の告白』は2017年『22年目の告白』というタイトルで日本リメイクされている。(主演:藤原竜也、伊藤英明 監督:入江悠)

 

レビュー : 『チェンジリング』感想

チェンジリング

原題:CHANGELING
制作年:2008年
制作国:アメリカ
監督:クリント・イーストウッド
公開:2009年2月20日
上映時間:142分

キャスト:
アンジェリーナ・ジョリー
ジョン・マルコヴィッチ
ジェフリー・ドノヴァン
コルム・フィオール
エイミー・ライアン
ジェイソン・バトラー・ハーナー
マイケル・ケリー
ガトリン・グリフィス
デヴォン・コンティ
ジェフリー・ピアソン
エディ・オルダーソン

ゴードン・ノースコット事件(ゴードン・ノースコットじけん、Gordon Northcott)とはアメリカ合衆国で1920年代後半に発生した連続少年誘拐殺人事件である。別名をワインヴィル(現在のマイラ・ローマ)養鶏場連続殺人事件”Wineville Chicken Coop Murders”と呼ばれている。裁判で有罪になったのは3人の殺害であるが、本人いわく犠牲者は後述のウォルター・コリンズなど20人としている。
この事件の被害者の母親の身に起きた出来事をモチーフにした映画が2008年公開の『チェンジリング』であり、一連の犯罪の首謀者・ゴードン役をジェイソン・バトラー・ハーナーが演じた。
なお、映画の作中では関係者全員の実名が出ている。アメリカで発生した80年近く前の事件であることから全て実名である。

1900年代に起きた「ゴードン・ノースコット事件 」を軸に描かれた作品。一つの事件が呼び起こした悲しい出来事。母親目線から見るとたまらない。この事件自体は古い物だが「決めつけ」で物事を見る異様さが生み出す悲劇は現代でも起こり得る事。

 

レビュー : 『フィリップ、きみを愛してる!』感想

フィリップ、きみを愛してる!

制作年:2009年
制作国:フランス
原題:I Love You Phillip Morris
監督:グレン・フィカーラ、ジョン・レクア

公開:2010年3月13日
上映時間:100分

キャスト:
ジム・キャリー
ユアン・マクレガー
レスリー・マン
ロドリゴ・サントロ
アントニー・コローネ
ブレナン・ブラウン

警察官だったが詐欺師になる。 同性愛者でもある。 刑務所に入れられても何度も脱獄するようになる。

総刑期167年の脱獄キング、スティーヴン・ラッセルの実話をもとにして作られた作品。実在の人物をモデルにしたとは思わずに笑いながら見て、後から驚いた。まさに「事実は小説よりも奇なり」。

 

レビュー : 『冷たい熱帯魚』感想

冷たい熱帯魚

制作年:2010年
制作国:日本
監督:園子温
公開:2011年1月29日
上映時間:146分

キャスト:
吹越満
でんでん
黒沢あすか
神楽坂恵
梶原ひかり
渡辺哲

埼玉愛犬家連続殺人事件(さいたまあいけんかれんぞくさつじんじけん)とは、1993年(平成5年)に日本の埼玉県熊谷市周辺で発生した殺人事件のこと。マスコミ報道が先行した事件であり、被疑者の映像が連日映し出された上、完全犯罪を目論んだ残忍な結末が明らかになるなど異常性の高い事件であった。

1993年に埼玉県で起きた連続殺人事件をモチーフとして描かれた作品。園子温監督が実際の事件をベースとして創作した「家賃3部作」シリーズの1作目。あくまでも「ベース」であって実在の事件をそのまま描き出した物ではない。「遺体なき殺人」の手口の残忍さに目を覆う場面頻発。実際の事件では犯人が経営するのはペットショップだが作品では熱帯魚の店になっている。

 

レビュー : 『マイ・バック・ページ』感想

マイ・バック・ページ

制作年:2011年
制作国:日本
監督:山下敦弘
公開:2011年5月28日
上映時間:141分

キャスト:
妻夫木聡
松山ケンイチ
忽那汐里
石橋杏奈
中村蒼
韓英恵
長塚圭史
山内圭哉
古舘寛治
あがた森魚
三浦友和

朝霞自衛官殺害事件(あさかじえいかんさつがいじけん)とは、1971年(昭和46年)に、東京都練馬区・埼玉県朝霞市・和光市・新座市にまたがる陸上自衛隊朝霞駐屯地で警衛勤務中の自衛官が、新左翼によって殺害されたテロ事件。
犯人グループが「赤衛軍」を自称したことから「赤衛軍事件」ともいう。

事件と直接関わった川本三郎が、1968年から1972年の『週刊朝日』および『朝日ジャーナル』の記者として活動していた時代を綴った回想録を元にした作品。学生たちの活気と熱意を描く青春ドラマでありながら、体制に飲みこまれて行く危うさも同時進行していく虚しさが描かれる。

『マイ・バック・ページ』予告編


出典:https://www.youtube.com/watch?v=b9qhXgLCLJI

 

レビュー : 『トガニ 幼き瞳の告発』感想

トガニ 幼き瞳の告発

原題:도가니
制作年:2011年
制作国:韓国
監督:ファン・ドンヒョク
公開:2012年8月4日
上映時間:125分

キャスト:
コン・ユ
チョン・ユミ
キム・ヒョンスン
チョン・インソ
ペク・スンファン

光州のろうあ者福祉施設・光州インファ学校(ko:광주인화학교)で2000年から2005年にかけて行われた入所児童に対する性的虐待と、それを施設や地域ぐるみで隠蔽していたこととその顛末を題材にした本作は、2011年にコン・ユ主演で映画化された。映画によって事件が再検証され、障碍者女性や13歳未満の児童への性的虐待を厳罰化と公訴時効を廃止する法律、通称「トガニ法」が制定されるとともに、加害者である校長らに対する再捜査が行われた結果、当初不起訴とされた加害者らは逮捕・起訴され、そのうち1名については2013年に懲役8年・電子足輪装着10年、個人情報公開10年の刑が確定した。また光州インファ学校は2012年に廃校となっている。

2000年代に実際に韓国のろうあ者福祉施設で起きた性的虐待事件をベースに描かれた作品。何の罪もない弱い子どもに与えられる虐待に眉をしかめながら見る前半から、中盤以降の裁判まで惹きこまれ続ける。作品自体は理不尽さに溢れるものだが、この作品を切っ掛けに運動が起こり法まで変わったというのだからまさに「ペンは剣よりも強し」。

『トガニ 幼き瞳の告発』予告編


出典:https://www.youtube.com/watch?v=WvfDray73Bo

 

レビュー : 『凶悪』感想

凶悪

制作年:2013年
制作国:日本
監督:白石和彌
公開:2013年9月21日
上映時間:128分

キャスト:
山田孝之
ピエール瀧
リリー・フランキー
池脇千鶴
白川和子
吉村実子
小林且弥
斉藤悠
米村亮太朗
松岡依都美
ジジ・ぶぅ
村岡希美

死刑判決を受けて上訴中だった元暴力団組員の被告人は自分が関与した複数事件(殺人2件と死体遺棄1件)の上申書を提出。元暴力団組員が「先生」と慕っていた不動産ブローカーが3件の殺人事件の首謀者として告発された。元暴力団組員に取材を続けていた雑誌『新潮45』が2005年に報じたことによって、世間から大きく注目されるようになり、「先生」が関与した1つの殺人事件について刑事事件化した。

1999年から2000年にかけて茨城県で発生した「上申書殺人事件」をモチーフとして描かれた作品。連続殺人を描く物としてはスプラッタな映像は少ないがジワジワと絞め付けられるような犯行の手口はバッサリ斬られるよりも見ていて苦しい。犯人役を演じたリリー・フランキーとピエール瀧はこの作品で数多くの賞を受賞している。

 

レビュー : 『アメリカン・ハッスル』感想

アメリカン・ハッスル

原題:AMERICAN HUSTLE
制作年:2013年
制作国:アメリカ
監督:デヴィッド・O・ラッセル
公開:2014年1月31日
上映時間:138分

キャスト:
クリスチャン・ベール
ブラッドリー・クーパー
エイミー・アダムス
ジェレミー・レナー
ジェニファー・ローレンス
ロバート・デ・ニーロ
ルイス・C・K
マイケル・ペーニャ
アレッサンドロ・ニヴォラ

ABSCAM―「アブスキャム」は1970年代後半と1980年代初頭にニューヨークで米連邦捜査局(FBI)のオフィスから指示されて行われたおとり捜査。
当初は盗まれた財産と名誉あるビジネスマンの盗難と汚職を狙ったものだったが、後に汚職捜査全般に変わった。司法省と有罪となった詐欺師の力を借りて、FBIはアラビアの会社から賄賂を受け取っている政治家をビデオテープに録画した。

アメリカで起こった収賄事件「アブスキャム事件」をベースに描かれた作品。日本人の感覚では実際にあった事とはとても信じらない。犯罪捜査のスケールの凄さを見せつけられる痛快な映画。

『アメリカン・ハッスル』予告編


出典:https://www.youtube.com/watch?v=ruQ1aalRuQE

 

この記事は、閉鎖されたR社のキュレーションサイトでライター仕事として書いたものを再編・再掲しています。(閉鎖の際に当ブログで再掲する旨R社の承諾は得ています)

 

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まとめ記事実話事件ベース

 

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この記事を書いた人
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奈可久う子(くう)

◆ドラマ・映画 エンタメ系ライター&ブロガー。◆ハウツーサイトやリクルート・キュレーションサイトなどで映画紹介のライターしておりました。(お仕事はいつでも有り難くお受けします)

◆映画の評点はあくまでも私感です。(平均が2.5で1と5は滅多に付けていません)

◆戦争とホロコーストテーマの作品観賞がライフワーク。

◆レビューは上半部はネタバレなし感想、下部は観了した方と感想を共有できるように書いています。(古い記事は簡単感想です。時間のある時にリライトしています)

◆姉妹ブログ「ドラマ@見とり八段」

映画感想@見取り八段

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