『柘榴坂の仇討』史実のその後

柘榴坂の仇討

作品情報

監督・キャスト

監督: 若松節朗
キャスト: 中井貴一、阿部寛、広末涼子、中村吉右衛門、高嶋政宏、吉田栄作、近江陽一郎、堂珍嘉邦、藤竜也、真飛聖

日本公開日

公開: 2014年9月20日

レビュー

☆☆☆

CS観賞: 2018年10月10日

 

このレビューは短感です。ネタバレレビューは特に設けません。

 

◆あらすじ
安政七年(1860年)。彦根藩士・志村金吾(中井貴一)は、時の大老・井伊直弼(中村吉右衛門)に仕えていたが、雪の降る桜田門外で水戸浪士たちに襲われ、眼の前で主君を失ってしまう。両親は自害し、妻セツ(広末涼子)は酌婦に身をやつすも、金吾は切腹も許されず、仇を追い続ける。時は移り、彦根藩もすでに無い13年後の明治六年(1873年)、ついに金吾は最後の仇・佐橋十兵衛(阿部寛)を探し出す。(Filmarksより引用)

 

原作は浅田次郎の小説『柘榴坂の仇討』

原作未読でラストが意外。悪い意味では無く。

ああ、そう落とすのか。

桜田門外の変

安政7年3月3日。
大老・井伊直弼は江戸城・桜田門外で暗殺された。

将軍後継問題として一橋・徳川慶喜を排除し、紀州の慶福を強硬に推した事。

日米修好通商条約を締結させた事。

安政の大獄の恨みなど、水戸や薩摩の恨みを買い続けた果ての暗殺だった。

時代の変革期

そんなことを行おうがどうしようが時代は止まらず。

結局、大政奉還が行われ、古い考えは戊辰戦争によって志士の血と共に一掃され、明治を迎える。

時代の変革期の中、昨日まで志ありで褒め称えられていたことが、ただの「人殺し」に変わってしまう。

刀を取り上げられることは誇りを取り上げられると同じく、それを捨てるには年を取りすぎた。

井伊直弼が好きだった

井伊さまを斬った者を消す。

家族を顧みず貧しさに耐え、やっと巡り会った相手も同じように多くを失い貧しく生きていた。
 
『柘榴坂の仇討』感想

歴史ドラマでは悪役として描かれる事が多い井伊直弼。

「井伊直弼が好きだった」「ただ好きだった」というその思いに涙。

どんな男だって、それを慕う人間は必ずいる。

近しい部下だったり、身内だったり。

復讐の虚しさを知る。

 

実在の事件ベースだが、登場人物や起きた事柄は創作だと思われる。

けれども、時代は確かに映し出されていた。

 

中井貴一さんの誇り、阿部寛さんの慚愧の念、ただ生き続けることの尊さ。

昔の日本人の心が美しく描かれた。

 

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