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『マザー!』公開中止は過保護すぎでは

マザー!

原題 : ~ mother! ~

『マザー!』mother! 感想

作品情報

監督・キャスト

監督: ダーレン・アロノフスキー
キャスト: ジェニファー・ローレンス、ハビエル・バルデム、エド・ハリス、ミシェル・ファイファー、ブライアン・グリーソン、ジョヴァン・アデポ、ドーナル・グリーソン、クリスティーナ・ロサート

日本公開日

公開: 日本未公開

レビュー

☆☆☆

観賞: 2018年12月13日(DVD)

 
「日本未公開」というよりも、「公開中止」らしい。そこまで衝撃的だったかしら……むしろ無宗教な国・日本だからこそ上映できるのでは。

あらすじ

郊外の一軒家に住む一組の夫婦、ある夜現れた不審な訪問者によって穏やかな生活が一転する。翌日も次々と現れる謎の訪問者たち、そんな招かれざる客たちを拒む素振りを見せず次々と招き入れる夫の行動に妻は不安と恐怖を募らせる。
訪問者の行動は次第にエスカレートし、常軌を逸した事件が相次ぐ中、彼女は妊娠し母親になるが、そこで想像もつかない出来事が待ち受ける。すべては現実なのか?それとも彼女の妄想なのか・・・(Filmarksより引用)

ネタバレしたくない方は、まず記事冒頭の「目次」も閉じてくださいね!

監督はインタビューで「何の先入観も持たず情報も入れずに見た方が良い」とおっしゃったらしいけれども、この映画は「ある事柄」に興味が全くなく「ある書物」に関する知識も全くない、という方にとっては、恐らく本当ーーーーに意味不明な映画である。

 

かくいう私も「これはアレ?」と、気づき始めるまではまさにチンプンカンプンだったもの。

そもそもホラーだと思い込んで借りてきたし。

そう、この映画はホラーでもなければサスペンスでもないし、もちろんほのぼのホームドラマでも恋愛ものでもないのだった。(しかし、ある意味、それら全てでもある)

ジェニファー・ローレンスが違う顔に見える

こんな美しいジェニファーは初めて見た。いや元々美しいし、野生のメス豹のような粗野な魅力満載のジェニちゃんも大好きだけれども。

この映画では肌は陶器のようだし、儚げな空気すら湛えているし、ああ、こういう女も演じることができるんだなぁと思うと、ストーリーがワケ解らなくても(あ、言った(笑))それだけで得した気分……。

 

そして、ハビエル・バルデムさんはかつてないほどに気持ち悪い。(誉めてる)

何を考えているのかサッパリ分からないし。行動もおかしいし、芝居の間も妙である。(誉めてる)

上映中止の理由

見て、一晩経って考えるに(「面白い」かどうかはともかく)「凄い」作品であることは確かだと思うのだ。こんな気持ち悪いことをするとは不道徳の極み……むしろ、日本よりもアメリカの方が公開に難ある作品なんじゃね……と思われる。

 

日本で公開が中止になった理由は、恐らく、「あの」シーンが惨酷すぎたからかなぁ、とか。

まぁ、本国でブーイングを受けたようなので、どこも買う気を失くしたと思うのが順当でしょうか。

 

ホラーじゃないけれども、クイズみたいな映画は好きだ(エログロ付き)、という方にはお薦め。

 


以下ネタバレ感想

 

原作は「聖書」

この作品に原作はないが、あえて言うなら原作は聖書である。

天地創造

神(ハビエル・バルデムさん)は、天地の創造に1度失敗したが、新たな挑戦として人類が住む地を作りたもうた。

「地」なるマザーテレサ(ジェニちゃん)はいそいそと地の創造に励んだ。

しかし、神が地に創造した「人間」というものは、ちょっと知識を身に付けたら憎らしい事ばかり言う。人が作った地を汚し壊し、生殖行為を始めたと思ったら、その子供らは殺し合いのケンカを始める始末。

人々が傍若無人にマザーの地を汚すので、マザーはついに怒り狂って人々を追い出した。

しかし、争いを覚えた人間たちはその後もマザーの「地」を汚し続ける。

この辺が、『創世記』のアダムとイヴ、そしてアダムとイヴの息子たち・カインとアベルの項である事は、後から考えて気づいたことだった。

殺し合いを見ている時点では、「図々しく夫婦で押しかけ、人の家でセックスしまくり家族ゲンカを始め、いきなり殺しちゃうとかあり得なくない?なに、この人たち、おかしいの?頭おかしいの?」と思っていた。なんせ何も知らずにレンタルしたもので(笑)

キリスト誕生

マザーはマザーだけではなくマリアも兼任していると思われる。

神はマリアに子を授け、混乱する「地」を救うためにイエスが誕生した。

 

しかし人間たちはこの救世主を引き裂き、殺してしまう。

この辺までに「もしかしたらこれは「神」と「地球」?」と思い始め、赤ちゃんの誕生で「これはキリスト?」と確信し、子どもの遺骸を分けて食べている図を見て、「最後の晩餐かい」と気づいた次第である……
そして黙示録

悲しみに狂ったマザーはついに地に火を放ち、世界を滅亡させる。神はこの「地」をあきらめ、静かに全てを埋めるのだった。

新天新地へ

神は絶望から新しい希望を見出し、新しい天地創造のために「地」を生き返らせる。

繰り返しているんだね

何も知らずに見ている分には、何だこのダンナはと、怒りを感じたり、何考えているのか解らないダンナの態度に不安になったり、いきなり押しかけてくる来客たちに不快感募らせたり、観客の多くはジェニファーに感情移入して見るものと思われる。

ずっとずっと不快で気持ち悪い2時間……。

 

個人的にはこれは宗教冒涜映画ではなく、この不快感がまさに大地が今感じている不快感なのだと訴える映画だと思うのだけど。

例えば環境破壊だったり。
例えば戦争だったり。

みんな、傍若無人に世界を壊していく。

神はやり直す。

替えなんていくらでも効くのだ。

私たちはそうして見限られ、放り出される。

家を……地球を大切にしないと。

 

そういう作品だと受け取った。

 

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