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『バグダッド・スキャンダル』外交をしよう

バグダッド・スキャンダル

原題 : ~ Backstabbing for Beginners ~

『バグダッド・スキャンダル』感想

作品情報

監督・キャスト

監督: ペール・フライ
キャスト: テオ・ジェームズ、ベン・キングズレー、ジャクリーン・ビセット、レイチェル・ウィルソン、ロシフ・サザーランド、ブライアン・マーキンソン、ベルチム・ビルギン、ショーナ・マクドナルド、ダニエラ・ラヴェンダー、エイダン・ディヴァイン

日本公開日

公開: 2018年11月3日

レビュー

☆☆☆

劇場観賞: 2018年10月29日(試写会)

 
権力と金が集まる所はなぜ必ず汚れていってしまうのだろう。きっと初めはみんな理想と共に職に就くのだろうに……。

◆あらすじ
2002年。24歳のアメリカ人青年マイケルは、念願だった国連事務次長の特別補佐官に任命され、国連が主導する「石油・食料交換プログラム」を担当することになった。これはイラクがクウェートに侵攻したことによる経済制裁の影響で、貧困にあえぐイラクの民間人を救う人道支援計画。国連の管理の元でイラクの石油を販売し、食料に変えてイラクの国民に配るというプロジェクトだ。
一見理想的な政策に見えるこのプロジェクトに実はフセイン自身が関与し、国連を中心とした世界各国の企業や官僚機構が関わっていることが判明。やがて世界に例を見ない巨額の汚職事件に発展していく。(Filmarksより引用)

 

イラク戦争直前のフセイン政権時代、国連の石油・食料交換プログラム絡みの汚職を描いた実話ベースの物語。

石油食料交換プログラムに関する引用

当然、ニュースなどで見ていたはずだが記憶に残っていない。「あの国連が汚職に関わっていた」など、どれだけ世界を絶望に陥れるか……と思うのだが、深く記憶に刻み込まれていないというのが何とも情けない。

石油食料交換プログラム(英語:Oil-for-food program)とは、1995年に国際連合が国連安保理決議986に基づいて行い 、1996年から開始され、2003年末頃終了した7年間累計で輸出640億ドル(当時の為替レートで7兆3600億円)輸入370億ドル(4兆2250億円)に至った交換プログラムである。このプログラムは、イラクが軍隊を再構築することなく、食品・医薬品その他のイラク市民にとって人道的に必要な物資と交換に、イラクが石油を輸出できるようにすることが目的であった。(wikipedia)

国連の「イラク・石油・食糧交換計画」不正疑惑に関する引用

この件をハッキリ覚えていない方はストーリーを楽しむためにはここは読まない方がいいかも。

不正とされる事例
 本年8月に公表された第3次中間報告書で不正が指摘された関係者は、以下の通り。
(1)セヴァン元事務次長(OIP: Office of the Iraq Programme担当):イラク政府により同次長に割り当てられた石油をアフリカ中東石油会社(AMEP)に売却することによって、同計画から不当な個人的利益を得ていた容疑。

(2)アレクサンダー・ヤコブレフ国連事務局調達官:1996年、同計画の石油検査会社入札に当たって、入札情報と引き替えに一企業から贈賄を得ようと働きかけていた容疑。米司法当局により既に逮捕されている。(外務省「国連の「イラク・石油・食糧交換計画」不正疑惑に関する独立調査委員会の最終報告書の提出について」)

創作物としての感想

24歳の、理想に燃えた主人公が国連事務次長特別補佐官になる……理想に燃えていたはずなのに、お偉い世界は猿芝居ばかり。

ドラマなどでもよく見る話も、「中」が世界のトップになると規模が違う。

遠い世界の話なのでついていけない……と、正直、初めは思ったものの、そこはサスペンスとしてついて行けるように作ってくれてあるのだった。

主人公のマイケルくんがとても純真で、騙されたり、危険な目に遭ったり、恋をしたり、反抗したり……と、観客の共感を得やすい動き。脚本が上手い。

本当のことを言っているのは誰なのか

マイケルくんと一緒に観客もたくさん騙されるので、「これは本物の証拠品なのか」「彼と彼女はどちらが本当の事を言っているのか」「ちょっと。それも盗聴されてるんじゃないの……」などハラハラしながら楽しむ事が出来た。

楽しい……と言ったら語弊があるかも。引き込まれる100分間だった。

民主主義に汚職はつきものだろ

ある人物のセリフが印象的。

「民主主義に汚職はつきもの」

いつからそんな事を言うようになってしまったのか。慣れるって悲しい事。

主人公はどうなるのか、誰がどう裏切っていくのか、史実を知らなくても知っていても見応えある政治ドラマ。

 
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以下ネタバレ感想

パサリスがマイケルを息子のように思っていた……ということだけは信じたいの。

例え、「この少女を救いたい」と流した涙が猿芝居だったとしても。

ただ、そこに、「もしも彼の亡くなった息子が生きていたら、息子の手も悪事に染めさせたのか」という謎は残る。

マイケルを助けたいと言っていたパサリスの言葉も、ナシームの涙も、真実だったのか芝居だったのか、まるで分らないままモヤモヤ終わる。

マイケルの行動や熱意だけは真実だったことに救われる。(お義兄さんもちょっと疑ってしまったんだけど、ただのイイ人で良かった(笑))。

その純真さと潔白さをずっと持っていて欲しい。

そして、そういう人にこそトップに立っていて欲しい。

民主主義だからこそ、自由は尊重されても自重できる人材を。

そういう若者が居る……居たという事だけは伝わって良かった。

今も変わっていなければいいけれど。

 

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