『夜は短し歩けよ乙女』面白きことは好きことなり

夜は短し歩けよ乙女

作品情報

監督・キャスト

監督: 湯浅政明
キャスト: 星野源、花澤香菜、神谷浩史、秋山竜次、中井和哉、甲斐田裕子、吉野裕行、新妻聖子、諏訪部順一、悠木碧、檜山修之、山路和弘、麦人、中岡創一、コカドケンタロウ

日本公開日

公開: 2018年1月21日

第41回 オタワ国際アニメーションフェスティバル長編部門グランプリ受賞
第41回 日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞受賞

レビュー

☆☆☆☆

観賞: 2018年9月6日 CS日本映画専門チャンネル

 

このレビューは短感です。ネタバレ?的なことには配慮していません。いずれ追記することもある、かも知れません。

あらすじ

クラブの後輩である“黒髪の乙女”に思いを寄せる“先輩”は今日も『なるべく彼女の目にとまる』よう ナカメ作戦を実行する。春の先斗町、夏の古本市、秋の学園祭、そして冬が訪れて…。 京都の街で、個性豊かな仲間達が次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれながら、季節はどんどん過ぎてゆ く。外堀を埋めることしかできない“先輩”の思いはどこへ向かうのか!?(Filmarksより引用)

 

原作は森見登美彦の小説『夜は短し歩けよ乙女』

ナカメ作戦

(ナるべく カのじょの メに留まる)

……を聞いて、「ある ある」と思ってしまう私は先輩と同程度にコジれているのである。

学生時代、何度「ナるべく カれしの メに留まる」を試みたことだろう。告白するには恥ずかしすぎ、プライドが高すぎ、かといって孤独に生きるのは辛すぎ、私は黒髪の乙女のように脇目も振らず我が道を歩む自由に憧れつつも俗物の世界に生きていた。

いや、果たして恋は俗物の世界のものなのかしら。

こんなに豊かに空を舞うことができる。これはたった一晩、恋に辿り着くために舞い歩く物語。

こうして出逢ったのも何かのご縁

祭りの喧騒から時に神秘を表す夜の世界の甘美さよ。
『夜は短し歩けよ乙女』感想

なぜ私、これ劇場で観なかったかな。やっているのは知っていたのになぜ行かなかったかな。

行かなかった理由をよく覚えていない。

スクリーンサイズで観れば絶対にトリップできる映画だ。

天から京都を眺める一夜の話だ。「有頂天家族」に繋がる世界だ。

乙女は乙女なんだけれど、矢三郎にもう一度会えた気がした。

「面白きことはよきことなり」は下鴨矢三郎のモットー。黒髪の乙女にも尻尾が生えているように見える。

ここまでホレたものに何度でも出会える幸せよ。

人との出会いも御縁なれど、作品との出会いも御縁です。

孤独でいたくても人は人と繋がる

「孤独でいたくても人は人と繋がる」
何度でも言いたくなるほど素敵。

李白じいさんがどんなに孤独でいたくても、李白風邪は蔓延し、どんどん人と人を繋いでしまう。

黒髪の乙女は風邪をひいた人達を次から次へと見舞い、先輩へとたどり着く。「ラ・タ・タ・タム」の終着駅は、健気に「ナカメ作戦」を続けてきた先輩の部屋。

まるで一年のような不思議な一夜。

ずんずん歩いて行くスピード感と、甘酸っぱい思い出の体感と、小気味良い森見節と音楽、偽電気ブランに酔うような熱量を味わう祭りのような作品。

 

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