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映画@見取り八段

自己満足映画批評ブログです。邦画・洋画などジャンル問わず観賞。劇場上映中作品のネタバレ感想は別枠で表記。ランキングは年末総評価まとめで。

『寄生獣 完結編』大切な他者のために

山崎貴 染谷将太 深津絵里 橋本愛 新井浩文 岩井秀人 山中崇 ピエール瀧 豊原功補 大森南朋 北村一輝 國村隼 浅野忠信 阿部サダヲ 寄生獣 日本映画 邦画・か行 ★★★★

寄生獣 完結編  

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監督:山崎貴
キャスト: 染谷将太、深津絵里、橋本愛、新井浩文、岩井秀人、山中崇、ピエール瀧、豊原功補、大森南朋、北村一輝、國村隼、浅野忠信、阿部サダヲ
公開: 2015年4月25日 


2015年4月27日。劇場観賞。

日本のコミック原作実写化作品は、この作品と「るろうに剣心」が歴史を作ったな…と思った。

奇想天外な設定に史実の凄惨さをきちんと織り交ぜリアルな映像で新しいアクション時代劇を作り上げた「るろ剣」。いかにも漫画らしい設定の中に大人が観賞するのに充分な哲学を込め、飽きさせない展開で見せた「寄生獣」。

もちろん、素晴らしい原作あってのこのストーリーなわけだが、テーマを説教臭くせずに映像で見せた力はさすが。

前編からの、「人間とはどういう物なのか」「悪魔とはどういうものなのか」そして「共存」という問いかけの答えをキッチリ出した完結編。

本当に素晴らしかったんだよ。……終盤までの2/3は。

【あらすじ】
新一(染谷将太)の暮らす東福山市で、市長・広川(北村一輝)が率いるパラサイトたちの強大なネットワークが形成されていく。彼らの動向を注視していた人類側は、パラサイトの全滅を図るべく特殊部隊を編成して広川と配下たちの根城となっている東福山市庁舎の急襲を画策していた。静かに対決の時が迫る中、パラサイトの田宮良子(深津絵里)は人間の子供を生んだのを機に人類と共存する道を探る。新一とミギーがその鍵になると考えるが、彼は母親を殺したパラサイトへの憎しみと怒りに支配されていた。(シネマトゥデイより引用)

 

人間って、みんな素晴らしいし助け合う美しい生き物だよ!などという生温かいテーマではないのよね。人類全体に与えられる大いなる皮肉。虚無感。けれども、わずかな希望。

それは原作のテーマであるわけなのだが、脚本の古沢さんのオリジナル作品で見られるシニカルさが共通しているので、ちょうどいい感じに仕上がったのかも知れない。

主人公も苦悩し続けた「正義の定義」…今回まさにその体現者となった田宮良子に泣かされた。深津絵里の本気を見たわ。本当に凄い女優さんだ。
    

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主人公・新一は、ただの復讐心から徐々に彼らの存在の意味を考える人になっていく。実写版のミギーは相変わらずクールさは無くイイお友達である。個人的にはこれはこれで愛おしい。笑2.gif

しかし必死で戦っているはずの新一よりも、なぜかパラサイトな人たちの方に肩入れしちゃうのね…。田宮良子はもちろん、感情なんて何も持ち合わせていない後藤のカッコ良さにも魅入る。

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「人間一種を食べる私たちの行為は慎ましい」

前編でミギーが言っていた事が、何となく説得力あるように思えてしまうのだった。だって可哀想だよね、彼らは。

数は勝れど一対一の戦闘能力は圧倒的に低い新一が人間代表として彼らと向き合う…。役者さんの熱演に涙しながら息つく間もなく観たんだ…ほんと、終盤まで。笑.gif

…で、申しわけないけれどもラストの方は個人的には飽きてしまったの。

ここで「やっぱりこの監督だから…」と思ってしまったのだった。好みもあるんだろうが。日本人の多くは好きな人も多そうだけれども。笑.gif

つまり引っ張り過ぎると涙も枯れてもう出なくなるという日本映画によくあるパターン…。

それでも、そこを補うほど前2/3は素晴らしかったので。迫力の映像はぜひ劇場で。

www.cinemarev.net

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 


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豊原さんの首ーーーーーー!!!

え~…最後まで生きていてほしかった…でも、バッサバッサ行っちゃうんだもんね。遠慮なし。

人間だって食用の鳥や魚の頭を落すのに躊躇しないもんな。そういう事ですよね。

そんな中で、田宮良子は「情」というものを知った。

人間は時に自分よりも大切な他者のために1つになる。そうなった時、やつらは強くなる。

赤ん坊に「いないいないばあ」をし、闇夜の窓ガラスに映る自分の笑顔を発見し、声を出して笑う。その笑顔が泣いているように見えた。

「人間が人間の子どもを殺すわけがないだろう」と倉森は最期に言っていたが、そんな事はない。そういう事件は世の中に溢れている。パラサイトと何の変りもない事を楽しんでやっている浦上も。楽しんでいるわけではない分、たぶんパラサイトの方が良心的なのだ。鬼畜は人間の方だ。

そんな世の中に危機感を抱いた「誰か」つまり「人間」がパラサイトを生んだのだという後藤の言葉もショックだよね。

つまり、犯罪防止を叫ぶ人たちの憎悪の気持ちも人間を殺すのだという皮肉。

結果的には人を救う事が出来るのは人を愛する気持ちだけなのだ。叫ぶだけでは憎しみが広がるばかりで何も救えない。

新一と里美が見上げる空。ラストシーンでしみじみ、そう感じた。


…それはホントに良かったんだけれども~…

個人的にはミギーが犠牲になって後藤から新一が逃げるシーンがクライマックスで。汗.gif

あの後に入るラブシーンには萎え萎えだった…ぇぇぇ…緊張感なさすぎね…。汗2.gif それにあのシーン自体もね…申し訳ないけれども、橋本愛ちゃんの演技が…若いからね…ヤってない感満々…(何を言わせる…汗.gif)

ま、まぁ…あの、日本のドラマや映画で女子が脱ぐと必ず着ている「今時のJK絶対着ないだろシュミーズ」を脱ぐ所までした大胆さは称賛しとかなきゃ…。

あと、後藤と戦う新一はもうミギー無しの「人間」でなければ意味ないんじゃないかなぁ。…とか思ったのでした。

上にも書いたけれども、終盤は泣かせようモードが激しく見えてちょっと飽きてしまったのは事実。それでも前2/3の凄さでお釣りがくるくらい。記憶に残る凄い日本映画だった。


「寄生獣 完結編」公式サイト

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