『グッドナイト・マミー』片割れ

グッドナイト・マミー

~ ICH SEH ICH SEH ~ 

  

監督: ヴェロニカ・フランツ、セヴェリン・フィアラ
キャスト: スザンヌ・ウエストエリアス・シュワルツルーカス・シュワルツハンス・エッシャー


公開: 2016年1月12日  観賞: 2016年4月29日(DVD)

 

海外の双子って、どうしてあんなに可愛いんだろうな~。

そして、どうしてあんなに恐ろしいんだろうな~…。

この手の話が好きで見慣れた人には、結構早い段階で筋が見えるかも。

しかし静寂の空間で起こる映像の美しさと不気味さは見応えがある。

とりあえず…Gの大映しはやめてくれる…ほんと、それだけは…(泣)

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◆あらすじ
人里離れた田舎の一軒家で9歳の双子の兄弟(エリアス・シュヴァルツ、ルーカス・シュヴァルツ)が母親の帰りを待ちわびていたが、帰ってきた母親(ズザンネ・ヴースト)は整形手術を受けて頭部が包帯で覆われていた。明るく優しかった母は別人のように冷たくなっており、兄弟は本当に自分たちの母親なのかと疑念を募らせる。女の正体を確かめるべく、兄弟が包帯女を試そうとする行為は次第に過激になっていき……。(シネマトゥデイより引用)

双子の美しい少年が森や広い白い屋敷で遊ぶ姿は微笑ましいが…なのにどうしてそんな物を飼ってるのって話である。
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ツッコミ所というか、謎は多い。結局ハッキリとは分からないまま終わった部分も多く、現実すらどこからどこまでなのか解らない。

観客にミスリードさせるためにあやふやにしていると思われる部分も多くて最後までモヤっとする。

マミーを見る目が少年目線なので、それに引きずられる前半。と、目線があやふやになる後半。
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子供の目線から見たら「得体のしれない事」ってこういうものなのかも知れない。

そして、キミたちは充分に逞しい。と言っておく。

あとは下のネタバレ欄で。

子どもは敏感な生き物なのだから、説明なしに行動したらダメだという教訓かも。
そして、やっぱり子どもは恐いって話。。

 

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


 

ルーカスは存在しないのだろう。とは、割と冒頭に近いシーンでもう解ってしまった。

母が一切ルーカスの声を聞いていないし、ネグレクトとは全く違う反応だったので。

そう思いながら見ていると最初の方からもう母の方がおかしいんだろうとはあまり思えないので、Gを食うマミーや森の中で首ブルンブルンするマミー(恐ぇぇょ、あれ)は何なんだろうと…たぶん全部エリアスの妄想と夢なんだよね。

殴られたり脅されたりしたのもエリアスの大袈裟補正が掛かったシーンなのか現実なのか。そこら辺がよく解らないので子どもたちに同情しきれないし、もちろん母にも同情しきれない。

例え幼い子どもとの親子関係にしたって言葉が足らな過ぎなんじゃないかな、とは思う。

どういう手術をしたのか、なぜホクロがないのか、どのくらい寝ていなきゃいけないほど具合が悪いのか、そもそも…シングルマザーだが金はありそうなのだから家政婦くらい雇ったら(それ言ったらもう話が成立しないけど。 )

ダンナさんとは死別なのか離婚なのか、ルーカスの死と父親が居ない事に関係はないのか、教会には本当に行ったのか…。

見ている方も想像の中で解決するしかないのよね。頭の中でいくらでも怖い話にできる。

マミーも精神不安定だったことだけは確かなようだし、エリアスもルーカスの死から多重人格になっているよう。

焼き畑、十字架、暗い森…カードのように暗示的に表れるシーンの連続に、この家族が陥った不幸の断片を見る。

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内に閉じこもった子育てに逃げ道はない。
そういう話。

 

 

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・象のロケット

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