映画@見取り八段

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『64 -ロクヨン- 後編』原作の先へ…

64-ロクヨン- 後編

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監督: 瀬々敬久
キャスト: 佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々、瑛太、三浦友和、永瀬正敏、吉岡秀隆、緒形直人、仲村トオル、滝藤賢一、奥田瑛二、夏川結衣、窪田正孝、坂口健太郎、筒井道隆、鶴田真由、赤井英和、菅田俊、渡辺真起子、萩原みのり、渡邉空美、黒川芽以、佐藤優太郎、嶋田久作、緋田康人、矢柴俊博、加藤虎ノ介、大西信満、管勇毅、忍成修吾、森本のぶ、結城貴史、日向丈、烏丸せつこ、小澤征悦、金井勇太、三浦誠己、芳根京子、菅原大吉、柄本佑

公開: 2016年6月11日 観賞: 2016年6月15日

これは~……
ドラマ版を見ちゃってる身としては何とも言えない。
原作もドラマも知らずこの映画が初見って方の感想が知りたいわ…。

あちこちで発表されているので今さらネタバレにはならないと思うから書いておく。

原作と結末違います。

◆あらすじ
昭和64年に発生した未解決事件、通称“ロクヨン“。時効が近付いた平成14年、ロクヨンをなぞるような新たな誘拐事件が発生する。組織の中での葛藤、記者クラブとの確執、そして父として家族の問題も抱える広報官・三上は、事件の真相の先に何を見るのか?(ぴあ映画生活より引用)

 

原作は原作で映画は映画だ。

だから、監督の受け止め方でどんな風に改変されてもそれは別に自由だと思う。改変した結果、これじゃ原作者の意図が伝わらないんじゃない…と思ったとしても、映画は映画なので面白ければそれでいいのだろう。(もっとも、その場合は「原作」ではなくて、せめて「原案」と表記したら…とは思いますが)

前編でも思った事だが、後編では、より「浩市さまの映画」感が増していた。
特に改変されて付け足された部分に。


まぁ、浩市さまの映画であることは確かなので、それもいいのだろう。
とにかく、私はもう「ドラマ『64』」を見ていない自分には戻れないので、真っ白な頭では観賞できないのである。

「無」の状態での感想としては、失速したというわけではないが前編ほどグッと来るものはなく、正直ちょっと暑苦しかった(汗)

中で、後編ハイライトは緒形直人の素晴らしさ。 うん、いい役者になったなぁ…。
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後はもう、素晴らしい俳優陣のことを書けばキリがないが(いっぱい出過ぎてるから(笑))、模倣誘拐捜査班の皆さんのカッコ良さとキャストの濃さには目が丸くなるわ

何か大西信満さんに似てるけど違うよね…と思ったら本当に大西さんだったり、追跡データ見てる忍成修吾似のお兄さんが可愛いじゃないかハート2.gifと思ったら本当に忍成くんだったり……。

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中央から来た記者の集団の中に加藤虎ノ介が居たり、宝探しみたいな豪華さ。笑.gif

その代り、前編から出ているキャストはみなさん…何だかセリフも減って存在が薄くなった感じ。
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まぁ、様々な大人の事情は見え隠れするものの、1本の作品の落としどころとしては良かったのだろう。

私が知っている『64』とは違うけど。

【64(ロクヨン)】土曜ドラマ 第5話「指」最終回 感想 【 ドラマ@見取り八段・実0段 】

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 


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ここから下にはほぼドラマ版との比較(しかも愚痴(笑))が書かれています。劇場版に満足したから読みたくないという方はスルーで。汗.gif


三上が広報官を辞めてしまう展開にはガッカリだ。

警察とは権威で凝り固まった組織。署内の勝手な思惑で情報を隠蔽したり、面倒な記者をわずらわしく思って情報を与えない風潮もあるかも知れない。

しかし、出来るだけの事はしよう。
警察と世間を繋ぎ、閉ざされてもノックし続ける窓で在り続けよう。

そういう至誠を見せ続けると決意する三上の話……だった気がするんだ泣.gif「64」という作品は。

「64」は3つのパーツで出来ている。

1つは、たった7日間の昭和64年に起こった未解決誘拐殺人事件が現在に及ぼす影響。

もう1つは警察内部の軋轢やしがらみや競争、隠蔽体質、その中で記者たちに情報を提供しなくてはならない広報官を描くお仕事事情。

そして、もう1つが三上、雨宮、目崎という3人の父たちと娘の物語。

そして、そのパーツはバラバラではなくリンクしている。

未解決事件のその後に関わったからこその記者との軋轢であり、事件当事者の実名を公表するかしないかという討論を超えて信頼を築いたからこその後編のあの記者発表での一幕である。

地元記者は「俺たちの県警」が全国紙に馬鹿にされているあの状況が悔しいのだ。だから激しくぶつかって来る。

三上が追跡車に乗り込むことになったのは、もちろん真実を知りたいという欲求もあるが、リアルタイムで捜査状況を実況することで広報の仕事っぷりを見せつけているのである。

結果、地元記者たちは「すごいだろ、やるだろ、俺たちの県警!」と散々責めたてていた全国紙記者に言えるわけで、ここは三上の広報官としての誇りがもっと描かれるはずの部分…。

それが全く感じられなくてガッカリした。この描き方だと前編で造り上げた記者たちとの信頼関係が、無くても良いエピソードになってしまう。

そして、広報官としての仕事に誇りの見えない劇場版の三上は、犯人に勝手に接触して捜一の刑事よろしく追い詰めるという…もう完全に刑事ドラマになってしまったじゃないか。汗.gif

わざわざあんな川に入って乱闘するとか、捜一の方々の靴や服も汚れるでしょ…。怒.gif

何よりも、目崎の小学生の娘をあんな現場に連れて行ってわざわざ傷つけるとか、何の必要があるのだろうか。「娘を傷つける」ことに一番敏感になっているはずの三上なのに(の、はずなのに)

目崎と三上を刑事さんたちが連れて行った後、あの場で泣いていた娘に誰も気を配らないのにもびっくりしたわ。(あの子はあの無愛想な秋川が連れ帰ってやったんだろうか汗.gif)

そして、結局、「警察を辞めて娘はオレが自分で探す」ってどういうことだろうか。警察に居ても探せなかったのに一般人になったら探せるわけがないじゃん…。汗2.gif

結局、地道にコツコツでも繋がりを作って行こう、橋渡しになっていこう、という仕事の誇りも記者たちとの絆もどうでも良くなってしまった劇場版。

原作の横山先生はインタビューで「64じゃなくて65ですね」とおっしゃったらしいけれども、つまり…意図が違うという事ですよね。

1本の刑事もの映画としてアリだとは思うが、「64」としては、とても残念。

 

『64-ロクヨン- 後編』公式サイト

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