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映画@見取り八段

自己満足映画批評ブログです。邦画・洋画などジャンル問わず観賞。劇場上映中作品のネタバレ感想は別枠で表記。ランキングは年末総評価まとめで。

『殺人の疑惑』あいつの声!

外国・サ行 韓国映画 韓国三大未解決事件 イ・ ヒョンホ君誘拐殺人事件 イ・ギュハン イム・ヒョンジュン キム・ガプス ソン・イェジン クク・ドンソク ★★★

殺人の疑惑~ 공범 / Blood and Ties ~

   

監督: クク・ドンソク   
キャスト: ソン・イェジン、キム・ガプス、キム・ガプス、イム・ヒョンジュン、イ・ギュハン
公開: 2014年11月8日


2015年3月28日。DVD観賞

1991年、ソウルで発生した韓国三大未解決事件の1つ『イ・ ヒョンホ君誘拐殺人事件』をベースにした作品。

ペースといっても、「未解決事件」に絡ませているわけだから当然その内容はフィクションだろう。どこまで真実なのか…考えるまでもなくほぼフィクションだと思われる。

その「どこまで本当なのか」を劇中の人物と同時に観客にもジクジクと突きつけてくる作り。何が本当なのか…何が隠されているのか。

【あらすじ】
15年前の誘拐殺人事件の公訴時効が近づいてきたため、警察は犯人の肉声の公開に踏み切る。ダウン(ソン・イェジン)はその声を耳にしたとき、男手一つで自分を育ててくれた父親(キム・ガプス)とよく似ていることに気付く。愛する父を疑うことに罪悪感を覚えながらも妙に心に引っ掛かりを覚えた彼女は、父親の過去のリサーチを開始する。
(「シネマトゥデイ」より)



『イ・ ヒョンホ君誘拐殺人事件』とは、1991年1月29日に韓国ソウル江南区のアパート遊技場で当時9歳のイ・ヒョンホ君が行方不明になり、44日後の3月13日、蚕室(チャムシル)大橋付近の『ウサギの穴』と呼ばれる高水敷地で亡くなった姿で発見された事件である。

44日の間に両親には60回余りの電話が掛かってきており、身代金目当ての犯行だった。警察の初動捜査ミスが指摘されているが、結局犯人は15年間逃げおおせ、2006年控訴時効が満了している。

この事件に関しては2007年『あいつの声』(パク・チョンピョ監督)で映画化されている。

で、この、まさに「あいつの声」が題材となっているのが、この『殺人の疑惑』なのである。


父一人、子一人、可愛がられて何の疑問もなく育ったダウンに初めて生じる疑惑。

ダウンと父・スンマンの行方を見守る観客側の気持ちも複雑に揺れる。

どこも怪しくなさそうな人の善い父を疑う娘にイライラしたり、かと思えば次々と現れる怪しそうな「証拠」の提示に首を傾けたり、今見ているのは妄想なのか現実なのか、どう信じればいいのか…。

そして、画面に表示される「公訴時効まであと〇日」の文字。

観客を不安に陥れるのが上手い、引っくり返しまた引っくり返るいつもの韓国サスペンスの手法。

最終的に残る理不尽なモヤモヤも…。
うん。だから、面白いけれどもパターンと言えばパターンではある。

しかしなぁ……疑いたくないものよね…。
自分だったらどうしただろうかと考えた。


日本にも1900年代や2000年代の初めの未解決事件はかなり数あるけれども、こうやって何度も映画化されたりドラマ化されたりする事はない。被害者や加害者の遺族を憚るからなのか、お国柄なのか。

韓国はこの三大未解決事件題材の作品がよく取り上げられるけれども、それは、やはり『殺人の追憶』という名作の影を追ってしまうからなのかしら…。

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「前にも言ったろう」「最後まで絶対にあきらめるな」

映画の最後に流される犯人の肉声。まさに「あいつの声」。

これが父親の声に聞こえたのは、その言葉が父親からいつも聞かされていた訓辞と同じだったから。

「野球選手の言葉を言っただけだよ」「ただの書き取りじゃないか」
父の言葉はいつも真っ直ぐで嘘をついている様子もなく、自分を疑う娘に戸惑っている様子しか感じられない。

私も見ていて何度も思ったよ。
どうかしてるぜ、ダウン…この人の善い父親が犯人なわけがないだろう、と。

どう見てもダウンの方が妙に感情的に見えたし…。父はただダウンのためにだけ生きている実直な男にしか見えなかったし。

「アヒョン洞の高架橋。パン屋さんの前の…」

あの「書き取り」を見るまではね…。

時効を過ぎた瞬間から笑い出したスンマンにゾッとしたよぉ…恐かったよ。

結局、声紋が違ったのは精度が悪いからなのかやったのか、やってないのかよく解らないよ…。

でも、やったのだとしたらスンマンは殺す相手を間違えたよ。義弟の方を殺っとくべきだった。誘拐殺人なんてしないで。泣.gif

しかしまぁ……
「やった」ことには変わりないのよね。誘拐。

「愛娘」と言う名の他人。
それだけはもう疑いようのない真実の犯罪か…。



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