『泣くな赤鬼』やり残した根性

泣くな赤鬼

 映画『泣くな赤鬼』感想

作品情報

監督・キャスト

監督: 兼重淳
キャスト: 堤真一、柳楽優弥、川栄李奈、竜星涼、キムラ緑子、麻生祐未、堀家一希、武藤潤

日本公開日

公開: 2019年06月14日

レビュー

☆☆☆

劇場観賞: 2019年5月21日(試写会)

 
「泣けるよーー泣けるよーー」と言われるとそれだけで引くタチなのだけど、まぁ、泣くわ。柳楽くんも川栄ちゃんも上手いんだもん。

生徒がやり残したことは、教師がやり残したことだった。という人生あるあるストーリー。

このレビューは短感です。後ほど追記するかどうかは分りません。

あらすじ

城南工業野球部監督・小渕隆(堤 真一)。陽に焼けた赤い顔と、鬼のような熱血指導でかつては「赤鬼」と呼ばれていた。その厳しさで、甲子園出場一歩手前までいきながらも、その夢は一度として叶わぬまま、10年の月日が流れた。今では、野球への情熱は随分と衰え、身体のあちこちにガタもきている50代の疲れた中年になっていた。ある日、診察を受けた病院でかつての教え子、斎藤智之<愛称ゴルゴ>(柳楽優弥)と偶然再会…(Filmarksより引用)

原作は重松清の同名小説。

キャスト登壇、完成披露試写会 行ってきた

これ。

色んな記事が「柳楽くんが川栄ちゃんに祝福を……」と書いているけれども、ここは司会から質問された内容に柳楽くんが上手く応えられなくて、突然「川栄さん、おめでとうございます!」と振り始めた笑える場面だったのさ(爆)

柳楽くんは舞台の合間の休暇中だったらしく、受け答えがポンコツで面白かった。最終的には堤さんから「お前、ホントに休んでるな!今日!」とツッコまれていた(笑)

新宿はひどい嵐で朝から出かけていた身は髪も服もビショビショのとんでもない日だったけれども、行ってよかった。楽しかった。ありがとうございました

「号泣」はしないかも……

原作知らずなので「話の流れが速いな」とは思ったけれども、2時間弱でよく納めたってところなのかも知れない。

「号泣」という宣伝は本当に好きじゃなくて、それを差し引いても「号泣」というほどまで胸を突かれる物はなかった。(「ウルッとしました」くらい……)

その原因が、やはり「話の流れが速すぎる」からで。主人公とゴルゴの現在と過去を絡めながら描くその内容が「何かのダイジェスト」のようなのだ。もったいない……。

「ダイジェスト」といえば、この映画の予告篇映像がまるで本編のダイジェストのようなんですけれども。ネタバレというか何というか……。

キャスト目当てで観る方は

キャスト目当てで見るかたは、柳楽くんのシーンは案外少ないとは申し上げておきます(竜星くんはなお少ない)。堤さんはほぼ出ずっぱりである。(そこは保証する)

柳楽くんの役、ゴルゴの高校時代を演じた堀家くんがとてもいい。

あとは、川栄ちゃんが素敵。
(赤ちゃんのイビキが凄すぎて笑った(笑))

人間物語としては、さすがの重松清

高校の部活から13年間。人生としてはあっと言う間。そのやり残しをわずか何か月間かで埋める話。

教師は育成に失敗し、生徒は根性を理解できず、そのまんまの状態で13年。

最期に間に合って良かった。

こんな形だけれど、ゴルゴの思い残しがなくなったこと、こんな年でも赤鬼に成長があったこと。

それは、きっと「良かった」と言っていい事。

 


以下ネタバレ感想

 

ゴルゴはなかなか根性を見せなくて、赤鬼は和田を当て馬に使った。ライバルを作れば奮起すると思ったのね。

和田は、そのことをきちんと理解している。彼も傷ついたまま大人になった。

ゴルゴの人生最期の再会は、ある意味関係者全員へのプレゼントだったのかも知れない。誰の?神様とか。運命とか。そんな物なくても長生きした方が良いに決まっている……けれども、この再会が無ければ誰も彼もがボンヤリした傷を負ったまま生きて行かなければならなかった。
 

赤鬼は育成の失敗を。ゴルゴは辞めてしまった青春を。和田は当て馬にされていた傷を。

13年ぶりに埋めるノック。
 

現行コーチのチームはこの体験をどう思ったのか、どう生かしたのか。

その辺の掘り下げが、もう少しあって欲しかった。

 

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