『コンフィデンスマンJP』 ロマンス編のおサカナは香港

コンフィデンスマンJP

映画『コンフィデンスマンJP』感想

作品情報

監督・キャスト

監督: 田中亮
キャスト: 長澤まさみ、東出昌大、小日向文世、小手伸也、織田梨沙、瀧川英次、マイケル キダ、前田敦子、佐津川愛美、岡田義徳、桜井ユキ、生瀬勝久、山口紗弥加、小池徹平、吉瀬美智子、佐藤隆太、石黒賢、竹内結子、三浦春馬、江口洋介

日本公開日

公開: 2019年05月17日

レビュー

☆☆☆

劇場観賞: 2019年5月22日

テレビドラマ版の大ファンだった者にとっては満足すぎる劇場版だった。

SPドラマでもいいんじゃない?感は仕方ないけれども、大画面で見るのに相応しい迫力はあったと思う。

この劇場版が初見だという方がどう思うかは……知らない(爆)

あらすじ

華麗に大胆に悪人を騙し続ける百戦錬磨のコンフィデンスマン(=信用詐欺師)、ダー子、ボクちゃん、リチャード、そして五十嵐。
次なるオサカナ(=ターゲット)は、香港マフィアの女帝で、その冷酷さから<氷姫>という異名を持つラン・リウ。彼女が持つと言われている伝説のパープルダイヤを狙って、一行は香港へ。ランに取り入ろうと様々な策を講じるが、なかなかエサに食いつかず苦戦する。
そんな中、天才詐欺師ジェシーが現れ、同じくランを狙っていることがわかる…(Filmarksより引用)

目に見えるものが真実とは限らない

恋すると誰でも自分を欺くことから始まり、他人を欺くことで終わる。-オスカー・ワイルド-

今回は、連ドラのテンションとは違い、しっとりとした切ない大人のロマンスのお話でした……。

 
……なんてレビューを書く人はたぶん居ないと思うけど。

「コンフィデンスマンJP」といえば、もう、どこから仕込んでるんだろうかという所をワクワクしながら見るのが正しい見方なわけだが、想定外のp———だった。これから観る方はジックリ楽しんでくださいーー!!
 

ということで、アッサリ簡単に映画版「ロマンス編」の楽しい所だけネタバレ無しで紹介するよ

テレビドラマ版からのお魚ちゃんたち

まずは、テレビドラマ版からゲストとして登場するお魚ちゃんたちと子ネコちゃんたち。懐かしいな~~。
 映画『コンフィデンスマンJP』感想 ドラマからのお魚キャスト

しかも、みんなちょっとずつ噛んでいるのだった。

物語のスピード感はドラマ版とあまり変わらない。登場人物に騙されないように、ジックリ見てね。

散りばめられた映画オマージュ

映画版だけあって、あらゆるシーンに様々な映画のオマージュ的なシーンが散りばめられています。

さすが、映画愛に溢れた作品ですね。

……とか書いちゃう批評家がいるだろうな、って思いながら書いたんだろうな、って思わせられるオマージュシーンがあちこちに転がっているので、笑いながら見よう(笑)

どっかのニューヨークのゴーストがこんなことやってた気がするし(笑)
映画『コンフィデンスマンJP』感想 どっかのニューヨークのゴースト

映画版だけのキャストも魅力的

モナコは「ロマンス編」に先駆けてSPドラマに登場していたので、あの時の「この子誰や」感がここで一気に解消される。つまり、ここから仲間になったわけですね。

織田梨沙さん。まさにビジュアルから子ネコちゃん的魅力。
 映画『コンフィデンスマンJP』感想 モナコ

香港の孤独な女マフィアを演じた竹内結子さんも良かったな。『真田丸』班的には、きりちゃんと淀と秀吉が揃った西軍キャスト。
映画『コンフィデンスマンJP』感想 香港の女

そして三浦春馬よ……

しかし、何よりも三浦春馬である。いつからあんな演技をする俳優になったのだろうか。自分の美しさを十分自覚したあの厭らしさ(笑)

いいねーーこれからもあの線でどんどん行ってほしい。
 映画『コンフィデンスマンJP』感想 こんな三浦春馬

ザッとした感想

正直、すごく面白かったけれども、いつものテレビ版と同じで。

ダー子たちが何をやっていても、どんな目に遭っていても、どうせ子ネコちゃんでしょ……と思いながら見てしまうので、2時間近くもあると種明かしが待ちきれない感じになってしまうのはイナメナイヨネーー。

けれども、その種明かしは壮大で。

笑って、スッキリ劇場を出られることは間違いないので。

ファンならぜひぜひ。お楽しみに。

第二弾が決まったそうですが~~騙されてないよね?(笑)

 


以下ネタバレ感想(仕込み部分まであらすじ書くよ)

 

え~~……そこから!?って言うよね……。

ガッツリ書くネタバレあらすじ「表」

  1. ダー子、香港マフィア「氷姫」ラン・リウのパープルダイヤをターゲットに決める。
  2.     

  3. 第1話・ゴッドファーザー編で煮え湯を飲まされた赤星は、ダー子たちを狙っていた。
  4. ボクちゃんは遊園地でヒーローショーのバイト。キンタ・ギンコ(第7話・家族編)のスリをヒーローらしく止める。
  5. リチャードは矢島理花(第7話・家族編)を弟子として連れ、バカンス中。
  6. ダー子は鈴木さん(第7話・家族編)に子ネコちゃんを依頼。鈴木さんは失恋でウツになっているようだった。
  7. ダー子、街中カフェで自分に詐欺を仕掛けようとしたモナコを弟子として拾う。
  8. 五十嵐も加え、みんなで香港へ。
  9. 姉妹占い師としてラン・リウに雇われるも、そこにはかつてダー子を傷つけて逃げた恋人・ジェシーがいた。
  10. ジェシーは得意の色仕掛け詐欺でラン・リウに取り入り、パープルダイヤを狙っていた。
  11. ジェシーから、また恋人として2人で組もうと誘われるダー子。
  12. ラン・リウは離婚した夫を今も愛し続けていた。それを知ったダー子たちは、夫とラン・リウ、双方に「一緒に海外で暮らそう」という手紙を送る。
  13. 出発当日、夫はすでにラン・リウへの愛などなく、手に入れた大金で愛人と遊んでいた。それを見てしまい、傷つくラン・リウ。
  14. そんなラン・リウを支えようとしたジェシーだったが、嫉妬に狂ったダー子はジェシーを撃ってしまう。
  15. 病院にジェシーを運び、介抱するラン・リウだったが、目が覚めるとジェシーは居らず、病院さえも空っぽに。そして身に着けていたパープルダイヤも消えていた。
  16. ダー子の暴走に驚き、ヘリポートに追うボクちゃんとリチャード。ダー子はパープルダイヤを持って「私のスター」と呼ぶジェシーと逃げようとしていた。
  17. そこへ赤星登場。実はジェシーは赤星と組んでダー子を騙していた。情報を送っていたのはモナコ。モナコは赤星のスパイだった。
  18. そこへさらに、騙されて怒り狂ったラン・リウが香港警察を連れて登場。三つ巴の銃構えに……。
  19. 結局、赤星とジェシーはパープルダイヤを奪って逃げていく。捕まるダー子たち。ダー子に情が移ったモナコはダー子たちと捕まる。
  20. 日本へ戻った赤星はパープルダイヤの鑑定を城ヶ崎(第3話・美術商編)へ依頼する。

ガッツリ書くネタバレあらすじ「裏」

  1. ダー子は鈴木さんが3000万の結婚詐欺被害にジェシーから遭った話を聞き、復讐計画を練った。
  2. ボクちゃんは遊園地のヒーローショーの際に、キンタ・ギンコから赤星が自分たちを狙っていると聞いていた。
  3. リチャードは矢島理花を赤星の元へ潜り込ませ、ダー子を騙す事が出来る人物としてジェシーを提案させる。
  4. リチャードは桜田リゾートのバカンス中に、ジェシーとモナコを目撃していた。
  5. モナコを弟子として拾い、こちらのニセ情報を赤星に流す。
  6. ラン・リウから手を引かせるために、赤星は元夫に30億払っていた。ラン・リウの元夫はリチャードの変装。愛人は鈴木さんの変装だった。
  7. パープルダイヤが偽物だと知り、慌てて香港に引き返す赤星とジェシーだったが、ラン・リウが住んでいた屋敷そのものがもぬけの殻の貸家だった。
  8. 怒り狂ってジェシーを蹴り倒す赤星。ニセのパープルダイヤを光に透かして見ると「©ダー子」の文字が(早く気づけ(笑))
  9. モナコは心から反省し、本当にダー子の弟子に。
  10. ラン・リウこそがダー子の「私のスター」。大物子ネコちゃんでした。

ネタバレ込み感想

あらすじを書きすぎて疲れたので(笑)簡単に。

え~~ここから仕込んでたの!?最初じゃん!!という驚きはあった。「どこから仕込みなのだろう」と、ずっと思いながら見て来たけれども、まさか全部とは(笑)

大金も手に入れ。
子ネコちゃん仲間の復讐も果たす。

凄い人です。

色恋よりも単純にお金儲けしてくれているから好きなドラマなわけだし、こういう方向でスカッとさせてもらえたのは良かった。

けれども、やはりドンデン返しのタイミングを待って見る身としては、ちょっと仕込み部分が長かったかも。

個人的には演技MVPは三浦春馬に捧げたい。あんなに厭らしい顔も、あんなに情けない顔も、なかなか見られないかも(笑)

では、次作をお待ちしております。

 

◆トラックバック先

コンフィデンスマンJP@ぴあ映画生活トラックバック
・象のロケット
★前田有一の超映画批評★
◆Seesaaのトラックバック機能終了に伴い、トラックバックの受け付けは終了させていただきました。(今後のTBについて)

comment

タイトルとURLをコピーしました