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『台風家族』家族は他人様じゃないですけどね

台風家族

映画『台風家族』感想

作品情報

監督・キャスト

監督: 市井昌秀
キャスト: 草彅剛、新井浩文、MEGUMI、中村倫也、尾野真千子、若葉竜也、甲田まひる、長内映里香、相島一之、斉藤暁、榊原るみ、藤竜也

日本公開日

公開: 2019年09月06日

レビュー

☆☆☆

劇場観賞: 2019年09月09日

 
大型台風一過の日に観た台風一家(笑)

もう少し台風くらいの勢いが欲しかった気がするけれども、ストーリーは面白かった。

面白いというよりも実家への連絡をすぐに怠る自分を反省してジクジク来る。

あらすじ

銀行強盗を企て、2000万円の大金と共に忽然と姿を消してしまった両親の“なんちゃって”葬儀を行うために、10年ぶりに集まったきょうだい達の愛おしくも、めまぐるしい夏の一日の物語……(Filmarksより引用)

崩壊家族の再生物語

鈴木家は親が犯罪者になったことで崩壊し、この話はその再会から始まる。

近年、崩壊家族の物語は映画でもドラマでも多く、長男が家長となって家を継ぐというイエ制度が崩壊して核家族化が進んでから数十年、日本は「家族の在り方」に悩んでいるのだろうなぁと感じることが増えた。

鈴木家の場合は親が犯罪を起こさなければ崩壊しなかったのかというと、そういうわけでもなさそうな様子が延々と映し出される。前半は、ほぼそういう昔語り。

でも、内容の深刻さとは裏腹に、かなり笑える。こういう作りは好き。

前半はクスクスできたものの

予告映像の雰囲気では、もっと、ガーーーっと。ガーーーっと(笑)台風のように荒れるのかと思っていた。けれども、そこまでは行かないのが残念。もう少しゲラゲラ笑わせてくれても良かったな。

しかし、中村倫也くんのやらかすアレコレには笑ったわ。佐藤役の若葉くんも上手い。この2人の二大ボケのおかげでゆるく笑える。
 

後半になると、やたら人情っぽくなってしまうのは個人的には受け入れづらかった。(あまり「泣かせる」方は上手いと思えなかった)

終盤はまた笑っていいのか何だか(笑)

まぁ、台風っぽいといえば、終盤が一番台風っぽいかも。

新井浩文を削らず公開してくれて

草なぎ剛がジャニーズからの移籍後単独主演一作目だったり、新井浩文が事件を起こしてお蔵入りになりそうだったり、キャスト的に色々話題になった作品。

久しぶりに新井浩文の演技を見て、やっぱりこの人、本当に良い役者だよなぁと思ったのだった。本当にもったいない。

この人だったら、小鉄でも京介でも出来るんだよなぁ……。
 
草なぎさんはこういう役がいい。久々に「任侠ヘルパー」の彦一を見た気がする。
 

適材適所に上手い役者陣、ちょっとゆるく笑える前半、ファンタジックカオスな終盤。

個人的にはこの度味わった台風15号ほどの迫力は感じられなかったけれども、楽しく観た。

そして、老いた親のことや自分の子どもたちの事も考えた。

自分の家族を見直す機会をくれる一本。

 


以下ネタバレ感想

 
あの死に方だと、そこら辺に乗ってきた霊柩車が乗り捨てられてるんじゃねその辺から捜索されていても良くね……とか、そういう現実的なことは言わない方がいいと思うので黙っときます(笑)
 
終盤は、もう、夢オチでもいいくらいのファンタジーだもんね。
 
しかし、YouTubeにUPしていた動画はどうしたんだろう。あの後、視聴者は置きっぱなし(笑)

 
家族の映画は日本映画に関わらず各国が制作していて、近年、介護問題も関心が高い。どの国でも子育てによって確執が出来、老人介護は世界中で頭の痛い問題みたい。

結局、金があればいいだろうという話ではなくて、そこには感情があるから。どこかの段階で仲違いした親子だとしても、長い人生の中には良かった時もある。思い出もある。捨てる事なんてできない。
 
クズだと思っていた親父は思いやり深く、子どもの厄介にならないように遠ざけ、介護についても助けを求めず、厄介にならないように死んでしまう。なんという手のかからない親。こんな老人、なかなか居ないよ。

そんな親でもこんなに憎まれる。人間って勝手。

佐藤くんが言っていたように、

「家族は他人様じゃないですけどね。」

だよね。

家族でやっと海へ行くことが出来たラストは切なく温かい。
 

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