『サイレント・ノイズ リベレーション』命を救った責任

サイレント・ノイズ リベレーション~ WHITE NOISE 2: THE LIGHT ~

   

監督: パトリック・ルシエ   
出演:  ネイサン・フィリオン、ケイティー・サッコフ、クレイグ・フェアブラス、エイドリアン・ホームズ、ケンドール・クロス、ウィリアム・マクドナルド、テリル・ロセリー、テガン・モス、マイケル・ライアン、クリス・シールズ、デヴィッド・オース
制作: 2007年 :日本未公開

2013年8月21日。DVD観賞。

2005年ジェフリー・サックス監督制作の「サイレント・ノイズ」の続編…らしい。そちらの方は未見です。未見でも全く問題なかった。話が繋がっているのかどうかは前作を見ていないのでよく分からない。

ホラーとしてどうよ、と言われれば全く恐くはなかったけれども、普通にストーリーは面白かった。

(もっとも…全くの私感で申し訳ありませんが、一緒に借りてきて前日に見た映画が酷すぎたので、ああ、これはちゃんと見れる~♥ という喜びで必要以上に評価が上がってしまっている可能性はあります。)

エイブはある朝、突然愛する妻子を目の前で失った。カフェで朝食をとっている最中に、通り魔によって妻子は銃殺されてしまったのだ。
失望の果てにエイブは自殺未遂を計り、一命を取り留めるが臨死体験をする。意識が戻って退院した後、エイブに変化が現れる。 通りすがりのある種の人物の周りに、後光のような白い光が見えるようになったのである。
その光が現れている人間は命を落とす…その事を知ったエイブは人助けに奔走し始める。

そりゃあね…。人間の本能として、「この人、もうすぐ死んでしまう」という事が解り、「救える」ということが分かれば助けようとするだろう。

エイブの行動はちょっと極端で、そこまでするか~とも思うが、何せ妻子を失って「死」に敏感になっている。
救えるものならば救いたいよね。

しかし、エイブは次第に気づき始める。

光が見える前に起きる「E.V.P.(Electronic voice Phenomenon)」(←この辺が恐らく前作との繋がり。テレビやラジオなどの電化製品から異世界のメッセージが流れてくるんだね) 、妻が殺される直前に口走っていた「トリア・メラ」という言葉。

そのメッセージを拾っていく内に、自分のしている事が何なのか分かってくるのである。
この辺のミステリー要素がなかなか興味深かった。

想像の付く内容ではあるけれども、解決や結末もあらら…と思ったけれども、エイブ、何の仕事しているのかよく分からないけど腕っぷし強すぎじゃねとも思ったけれども…。

色々とツッコみつつも、面白かった。

命の話だから切ない部分もあるしね…。

ホラーをキャーキャー言いながら見たい方にはお薦めできないけれども、ちょっとサスペンスの入った「ゴースト」を見たい方にはお薦めしておきます。

ただ、結末は若干ショボイ。

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 


自分が救った人は、3日後に誰かを殺してしまう…。
「トリア・メラ」はキリスト復活と悪魔の復活を意味していた。

それを知ってから、今度は何とかそれを止めようとするエイブがまた切ない。
だって、もし助けた人間が誰かを殺すのを止めたとしたら、またそれによって救われた人間が人を殺すわけだもん…。

妻子が殺されたのは偶然の通り魔事件ではなかった。
妻子を撃ち殺した男もかつて臨死体験の後、エイブの妻子を助けていたのだ。
つまり…事件を止めていたら、エイブの妻子も人殺しになっていたんだよね…。

ただ、何だか急速に親しくなってしまった女を助ける展開と、エイブが最後に完全に「良いゴースト」みたいになっちゃった点はかなり残念。

そこで甘くしなくても…と思った。

個人的には、彼女を撃ち殺す事に失敗して、遺体になって運ばれて行って、「えっ…この後どうなるの?」という余韻で閉めてくれると嬉しかった…かも。

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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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