『フライト』神に与えられたチャンス

フライト~ FLIGHT ~

     

監督: ロバート・ゼメキス   
出演: デンゼル・ワシントン、ブルース・グリーンウッド、ドン・チードル、メリッサ・レオ、ジョン・グッドマン、ケリー・ライリー、ブライアン・ジェラーティ、タマラ・チュニー、ナディーン・ヴェラスケス、ジェームズ・バッジ・デール、ガーセル・ボヴェイ
公開: 2012年3月1日

2013年3月6日。劇場観賞。

「高度3万フィートの真実」とか「英雄か犯罪者か」とかいう予告を散々見ていたので、もっと違う内容を想像してた。

もっとこう…陥れられた英雄が、真実を勝ち取るような…。

見終わって、ああ、こういう話なのか。と意外に感じつつも、考える所は大きかった。

フロリダ州オーランド行アトランタ発の旅客機で原因不明のトラブルが発生。機長のウィップ・ウィトカーは奇跡とも言える飛行技を使って緊急着陸を成功させる。そして、乗客・乗務員102人中96人が生存した。

彼の操縦じゃなければ救えなかった多くの命。

結局、副操縦士が言っていたように、これは神が与えた…宗教には関係なく、運命のようなもので。
この事故があったから、人生をやり直せることになったウィトカー。
こんな事がなければこのままずっと操縦士をやっていたかもしれないけれども、それじゃ人間としてダメだった。
ずっと認めないで逃げていたら、人間としてダメだった。

運命に与えられた試練。

操縦士としては一流だけど、人間としてダメだった1人の男が立ち直る話。

職業の技術としては英雄だったと思う。それは間違いではないけど、光の中に立てない英雄は潰れるしかないという事かな…。

パニックものでもなければ、ヒーローものでもなく、人間を描いた物語。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


事故については、もう本当に「運」なんだよね…。
機体に問題があった事は判明しているのだし、ウィップが乗っていようと乗っていまいと事故は起きた。
ウィップが操縦しなければ、全員死んでしまったかもしれない。そうじゃないかも知れない。
また、飲んでいたから思い切った操縦が出来て助かったのかも知れない。
飲んでいなかったら助けられなかったかもしれない。
そうじゃなかったかも知れない。

ハッキリしている事は、この事故があったから、ウィップのアル中が判明したという事。

自分が飲んだと言わなければ、死人に口なしでカテリーナが飲んだことに出来た。
子どもの乗客を助けるためにシートベルトを外して、死んでいったカテリーナ。
彼女に対する誠意を見せた公聴会。

隠し通し、逃げていたウィップが初めて見せた誠意。

これが、彼女を救い、自分自身をも救った。

息子にとっての英雄になれたラストには感動した。

でも、アル中が操縦する飛行機なんて絶対に乗りたくない。

「フライト」公式サイト

 


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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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