『インモータルズ -神々の戦い-』ターセム・シンなりのギリシア神話

インモータルズ -神々の戦い-
~ INMMORTALS ~

監督: ターセム・シン   

出演: ヘンリー・カヴィル、ルーク・エヴァンズ、ミッキー・ローク、ケラン・ラッツ、ジョン・ハート、スティーヴン・ドーフ、ジョセフ・モーガン、スティーヴン・マクハティ
公開: 2011年11月

    inmortals.png

ターセム・シン監督の「落下の王国」は、私が「死ぬ時に見たい映画」の1本である。

なんじゃ、そりゃ・・・
という話だが、つまり「死ぬ時はこれを聞きながら死にたい歌」みたいな感じで…
死ぬときは、ただその美しい映像が流れているのをボーっと見ながら死にたいの。

「インモータルズ」も、それは美しい映像だった。

モノクロの背景に浮かぶ金色の光。
女性が身に着けるくすんだ赤。
茶色い空に浮かぶ神々の金の鎧・・・

どこを切り取っても美しい絵になる。

だから、ボーっと見ていたいのはヤマヤマなのだが・・・

見ていられないほど痛いシーンも続発するのがこの作品。

いや、鮮血が飛び散ったり、デカい武器でタイタン族がグヂャっ・・・
と潰されるシーンすら美しいんだよ。
美しいけれども、やはり「ぎゃーー」とは思う。

ただ、美しすぎるので現実感がない。
つまり、ストーリーは悲惨な戦闘ものなんだけど、悲哀が感じられないのだ。

だから・・・

この作品は、もの凄く賛否両論だろうな、と思う。

ストーリーよりも映像を楽しもうという覚悟で・・・
そして、やはり見るならスクリーンでぜひご覧ください。

ストーリー自体は、ギリシャ神話に忠実でもないし、ツッコミ所満載です。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


神様って・・・死ぬんだね…

ストーリーのほとんどは人間同士の戦いだけど、そこに我慢しきれず参戦する神とか…

でも、神様だから死んでないよね?
と思ったけど天上では喪中みたいになってるし。

パイドラーとか、一体何なの
姉妹たちが「私がオラクルです」と身体を張って拷問に耐えているのに、 自分からアッサリ脱いでオラクルの力を捨てちまう。

どんどんタイタン族にやられる神々を見ていると、人間とあまり変わらない。
圧倒的な力や技がないものね。

しかし、神々は本当に死んでしまったのだろうか
いや、神はやはり死んではいけないだろう。

この戦いも、もしかしたら、ただの神様たちの遊びなのでは…と思ったら…

上映中にも関わらず、しきりとこの人たちが頭に浮かんでくる。

    inmortals2.png

結局、テセウスは死んで神様の仲間入り
そして、彼の子を立派な戦士に育ててまた遊ぶために、ゼウスは地上で変装するのだった。

・・・というオチなのだろうか。

・・・と、いっぱいツッコミつつも、ラスト、空に浮かぶ鳥か虫のような神々の戦いの映像には、 ぞっとしたり、みとれたり・・・

「ギリシャが絶滅する」とか「ギリシャはもうダメだ」とか…
このご時世がら、聞く度に複雑。

「弓を奪われた、敵が攻めてくる」とテセウスが訴えているのに聞く耳持たないノンキさも、 あんたら、そんなだから、こんな事になるんだよと心の中で言ってみたりして。

・インモータルズ -神々の戦い- 公式サイト

 



インモータルズ -神々の戦い-@ぴあ映画生活トラックバック
・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

comment

タイトルとURLをコピーしました