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『母なる証明』誰にだって人は殺せる

母なる証明
~ 마더 / MOTHER ~

   

監督: ポン・ジュノ   
出演: キム・ヘジャ、ウォンビン、チン・グ、ユン・ジェムン、チョン・ミソン

公開: 2009年10月

お帰り笑2.gifウォンビン

とか浮かれられる内容とは違う・・・
このウォンビンはカッコ良くもないし、素敵でもないのだ。

 

でも、思えば映画のウォンビンは、いつもそんな感じかも知れない。あの外見を生かしたカッコ良い役に充て書きされる事はない俳優。作品の中にウォンビンがいる。彼自身も韓国映画界も彼をアイドルではなく俳優として育てようとしている姿勢が見えるから。

だから、私は彼が好きなのかも知れない。

さて・・・

たぶん、かなり賛否両論なストーリーなんだろうな~・・・

息子の無罪を立証するために、走り回る母。
そのやり方は、試行錯誤もいいところ。
思いこみで動き回る姿は、やりすぎで滑稽だ。

 

ポン・ジュノ監督らしく、眉をしかめたり、クスッと笑わせられたりした後には背筋が凍るクライマックスと涙が溢れる結末が待っている。

ありえないだろ~と思うほど息子一途のおばさんの姿は、ハッキリ言って気持ち悪いくらい。

でも、気が付くと、おばさんの中に自分の姿が見える。

たぶん、男の子の母親は誰でも、おばさんを見て、ただあざ笑う事はできないはず・・・

冒頭のシーンは

えっ?もしかしたら歌い出すの?
この映画ミュージカルなの~?

と、ちょっと引いてしまったけれども・・・

ラスト、この冒頭シーンに納得が行くのである。悲しいほど・・・

どんな母親だって、息子を信じている。
どんな母親だって、息子を守りたいのである。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


知的障害者に罪をなすりつけるなんて、いい加減な警察。。。
最初はそう思ったけれども、刑事のカンは、あながち外れでもなかったらしい。なるほど「誰にだって人は殺せる」

携帯電話の写真と、トジュンの記憶が繋がる瞬間は思わず鳥肌が立つ。

「馬鹿」と言われる事に異常な反応を見せるトジュン。
ネタだと思っていたけれども、こういう伏線だったとは…。

上にも書いたけれども、おばさんのやっている事は極端でも、母親は概ねあんなモンだと思う。

もしも、自分の子供が本当に犯罪者だったとしたら…。
すぐに警察に突き出す事が出来る親なんているだろうか。

私でも、ああしてしまうかも知れない。
母親ってありがたい。そして恐い存在かも知れない。

逆に…

息子の方も恐い存在だよね…。

どこまで弱くて、どこから正気なのか、まるで解らないトジュン。

トジュンを信じ続けて奔走したおばさんは、使われていたのかも知れない。

「誰も信じるな。この町の人間を。」

ジンテのいう「この町の人間」の中に、トジュンは…

・母なる証明 公式HP

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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

comment

  1. くう より:

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    > よっぽど切羽詰っていたんだろうと思うと切なくて・・・。
    そう思います。。。
    そのお父様の気持ち、何となく解ります。
    できたら通報なんてしないで匿いたいくらいの我が子のはず。
    それでも、そうしなきゃこの子のためにならない、と
    思われたのでしょうね。。。
    私、 「殺人の追憶」を見てないんですよ(>_<)
    絶対に見たい作品です。
    > 闇雲に突っ走り次第に追い詰められて行く母を飲み込み、
    > いつの間にか立場を逆転させたジンテ。
    > 今度は彼が母を脅かすのではないかと・・・。
    ただの脇役ではないジンテの存在感は凄かったですよね~。。。
    私は、トジュン自身の存在も不気味だと思っているんですよね^^;

  2. sannkeneko より:

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    デルタ航空機爆破未遂事件の容疑者の父親が
    極端な宗教観を持っているからと息子をアメリカ当局と自国の警察に通報していたと
    昨日報道されていました。
    よっぽど切羽詰っていたんだろうと思うと切なくて・・・。
    「殺人の追憶」がミステリーならこれは心理サスペンス。
    (個人的には「殺人の追憶」の方が出来はイイとは思うんですが、)
    闇雲に突っ走り次第に追い詰められて行く母を飲み込み、
    いつの間にか立場を逆転させたジンテ。
    今度は彼が母を脅かすのではないかと・・・。

  3. くう より:

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    本当に傑作でした~^^
    この監督だから、後味はともかくとして、きっと
    見入ってしまう作品に違いないと思っていたんですよね~。
    観て良かったです^^
    >母の愛の前では殺人に悩む自身の良心すらちっぽけなものなのかもしれません。
    子供のためには母はああするしかなかったのでしょうね。
    自分でも、ああなっちゃうかも。。。(-_-;)
    愛と狂気は紙一重なのかなぁ。。。
    本当に知的障害なのかどうか解らない、実は
    何もかも解っていそうなトジュンが、母の愛を
    ちゃんと理解していてくれれば良いのだけれども。

  4. KLY より:

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    またしても傑作ですね。
    母の愛は過保護過ぎであり、ともすれば近親相姦的色合いさえ感じられました。しかし、その愛がトジュンを救うために狂気の愛に変わっていく様子が、見事に表現されていましたよね。そしてあのラストシーン。たとえ何がどうあろうと、トジュンのためであればなんでもする、母の愛とは書くも強烈なのか。母の愛の前では殺人に悩む自身の良心すらちっぽけなものなのかもしれません。
    ウォンビンはアイドル的な人気が強かったですが良い俳優になってもどってきましたよね。
    ですが、今回はキム・ヘジャでしょう。恐ろしくも素晴らしい、見るものを圧倒する演技と存在感でした。

  5. くう より:

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    恐かったですね~。。。
    登場人物の心中がまるで解らない。トジュンも含めて。
    本当に一級品のミステリーですわ。
    結末を考えれば、母の愛は空回りしているだけなのかも知れません。
    息子に、母ほど母を思う気持ちがあるかどうか。。。
    私もトジュンは全部知っているのではないか、と思います。
    ウォンビンは見事にアイドルではなく、俳優として
    復帰したな、と思いました^^
    今後の活躍も楽しみです♪

  6. ノラネコ より:

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    いやはや凄い映画がまた韓国からうまれました。
    男は生まれながらにしてマザコンの部分がありますから、登場人物の感情は決して笑えないですね。
    自分の中にもある部分を、極端にカリカチュアして見せ付けられた気分です。
    ミステリとしても一級品。
    なんとなくですが、トジュンは本当は全部覚えていたのじゃないかという気がしています。
    そう思うと母の愛が余計に切ないのですけど。
    ウォンビンが復帰作でこれをやったのには驚きましたね。
    新境地だと思います。