『ザ・ブリザード』えっ実話!?って言っちゃうよね

ザ・ブリザード

原題 : ~ The Finest Hours ~ 

作品情報

監督・キャスト

監督: クレイグ・ギレスピー

キャスト: クリス・パイン、ケイシー・アフレック、エリック・バナ、ベン・フォスター、ホリデー・グレンジャー、ジョン・オーティス、カイル・ギャルナー、ジョン・マガロ、ボー・ナップ
公開: 2016年2月27日  : 2016年3月2日 劇場観賞

レビュー

☆☆☆

「実話」って言われなければ、えーーないない…とツッコミを入れてしまいそうな海難っぷり。あきらめない心で突き進む嵐の中のリーダー…これは、今のあの国だからこその映画なのかなぁ、とご時勢と重ねて考える。

◆あらすじ
真冬の大西洋でブリザードに襲われた巨大タンカーが大破し、船内に32人の乗組員が取り残されてしまう。生存者の救出にバーニー(クリス・パイン)率いる4人の沿岸警備隊員が向かうが、彼らが乗り込んでいるのは定員12人の木製小型救助艇であった。一刻を争う状況で、一行は決死の救助活動に挑む。(シネマトゥデイより引用)

 

ホントに実話ベースですと言われなければ、そんなバカなとツッコミ続けて終わりそうな救出劇(笑)

だって、大嵐の海原に出る沿岸警備隊の救助艇、舟っていうよりもただのボートだよ。剥き出しだよ!?
遊園地のアトラクションじゃないんだから…って何せディズニーですから。(もう、アトラクション作る気満々…)

こんな物で救助に行けって、死ねと言われているようなもの……。時代は1952年、今だったらブラック企業だと騒がれて裁判沙汰。

事件は現場で起きているのによく解らんまま無理な指令を飛ばしてくるクラフ司令官。
私ゃよくよく考えたらエリック・バナが出てるヤッホーー!と、この映画を観に行ったんだった…なのにこんな役。。

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もっとも、この司令官にもちゃんと考えはあるんだ……つまりそれは……自分で判断しろってこと(マジか)

嵐の映像は素晴らしい迫力で3Dでの見ごたえあり。

この小っちゃな小っちゃな救助艇の小回り利くサーフィンっぷりが凄いのよ。

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真っ二つの巨大タンカーの方も真に迫る壊れっぷり。何かが崩れるたびに、何度も「あっ!」と声を出しそうになってしまった。

……しかし、

そこ以外の退屈なドラマ部分がとても多いのだった…。つまり別に3Dじゃなくてもいい部分がかなりの割合を占めている。

しかも、その人間ドラマ部分、結構不快。

強引押しかけ熊女とか…。

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勝手に救命ボートと共に粉々になればいいさと思わずイラっとする人々とか…。

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まぁ、こういう人たちの成長物語なわけですが、ストーリー的にはとってもベタ。特に熊女パートは朝ドラかってくらいのベタさ…。

(熊女って何だよ……って方は本編を見てね.。oO)
(だ、だって…最後まで好印象にならなかったんだもの….。oO)
(ごめんね….。oO)

ベタなストーリー部分を差し引いてもブリザード映像スケールは素晴らしいものがあるので、ぜひ劇場で。

実際の救出劇 SSペンドルトン号の救出

※実際の救出劇(1952年に起きたアメリカ沿岸警備隊によるT2 タンカー・SSペンドルトン号の救出)ついてはこちらのページを参考に。

【特別映像】クリス・パイン、過酷な救出劇に挑んだ英雄たちと対面!『ザ・ブリザード』 | cinemacafe.net
アメリカ沿岸警備隊(コーストガード)史上最も偉大で最も不可能な救出ミッションとして語り継がれている「ペンドルトン号の救出劇」の驚くべき真実の物語を描いた『ザ・ブリザード』。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 


以下ネタバレ感想

 

 熊女が仕事中だっていうのにドカドカ沿岸警備事務所に乗り込んで来て「結婚結婚」騒ぎ出した時は思わず舌打ちしそうになっちゃった。ふう…。。

未来のダンナの仕事を理解し、この仕事をする者の妻として何をすべきか学び、成長したからバーニーたちのためを思ってラストに車のライトを海へ向ける事を思いつくまでになったのよね………

って、うん?「彼女みたいに皆もライトで海を照らせ~~!」って、あんたら最初からそのつもりで海に向けて車停めてたんじゃなかったのかよーー逆にビックリするわ…。

熊女だけじゃなくて、バーニーもな…トラウマがあるといっても海に出るまでがヘタレ過ぎて何だかな…って。

しかし初めはどうなる事かと思った。早く座礁したタンカーに辿り着いてーーと祈りながら見ていたものの、辿り着いたからってどうやってこんな船に乗せるんだよ…これじゃあ…遭難者が増えるだけってことになるのでは~~と大河のワンシーンが突然脳裏に浮かぶ始末。

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まさかあんな小さな救助艇に22人もむき出しで乗って帰ってくるとは~。(そもそもあれが12人も乗れるようにすら見えなかった。)

辿り着けたのも助けられたのも帰りついたのも全て運が良かったから…って気もするが、あきらめない心を持ち続けたからこそだよね。本当に良かった。

ところで…

帰りついた時、誰も「船長」バーニーを迎えに駆け寄らないわけだが、ちょっと酷くないかな…。もちろんミリアムとの抱擁シーンを際立たせるための演出ですが、せめて隊員たちが遠くから見守る映像くらいチラッとでも入れてあげたら…。って最後までツッコんだ(笑)

『ザ・ブリザード』公式サイト

 

 

 


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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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comment

  1. リンクス より:

    僕は劇中のケイシー・アフレックにハマりましたけども。文句言われながらも的確にやることをやっていく、基本口数は少ない、皆を助けようと奮闘するが、そういう役にありがちな鬱陶しい熱さは決して見せない。
    なんかカッコ良すぎました(笑)

  2. nakakuko より:

    thomasさん
    >ヘッドライトを点灯、こらこらそこでやるか。
    最初から車で行進してたじゃないですかねぇ。
    私はてっきりライトで照らしてあげるためにみんなで来たんだと思い込んでましたよ。
    そこで気づいたんかい!!って(笑)

  3. nakakuko より:

    BROOKさん
    >映像面では3Dでなくても良かったような気が…
    ブリザードで荒れ狂う海のシーンは迫力満点でした。
    あそこだけですよね。
    3Dの意味ないシーンが多かったです^^;
    >たしかにバーニーに誰も駆け寄ってくれませんでしたねぇ(苦笑)
    あんなに苦労させられたのにね…。

  4. thomas より:

    いやまったく同意見。最後の方で、ヘッドライトを点灯、こらこらそこでやるか。最後のシーン、誰もヒーローに駈け寄らない。この2点だけで、金返せという気持ちになりました(^_^;)

  5. BROOK より:

    これが実話というのに驚きましたね。
    ディズニーが作っているので、かなり脚色はしていると思います。
    映像面では3Dでなくても良かったような気が…
    ブリザードで荒れ狂う海のシーンは迫力満点でした。
    ラストは私も思わずツッコミを!
    たしかにバーニーに誰も駆け寄ってくれませんでしたねぇ(苦笑)

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