『コン・ティキ』無謀だけれど実話海洋冒険物語

コン・ティキ ~ KON-TIKI ~

    

監督: ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ   
キャスト: ポール・スヴェーレ・ヴァルハイム・ハーゲン、アンダース・バースモー・クリスチャンセン、ヤコブ・オフテブロ、トビアス・サンテルマン、オッド・マグナス・ウィリアムソン、グスタフ・スカルスガルド、アグネス・キッテルセン
公開: 2013年6月29日

2014年8月18日。DVD観賞

1947年4月28日、コンティキ号はペルーのカヤオ港より「漂流」を開始した。「航海」ではなく「漂流」なのである。

自説を証明するために8000キロを1500年前と全く同じ設計のイカダで漂った男たちの物語。実話です実話だと知らないで見たらツッコミ倒していたと思うの…だから現実は映画より奇なり。
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ノルウェーの人類学者トール・ヘイエルダールは、ポリネシア人の起源について「南米から祖先が海を渡って来たアメリカン・インディアンだ」という説を主張していた。しかし、ポリネシアンはアジアから渡来したという説が学会では有力であり、ヘイエルダールの学説は受け入れてもらえない。

その一因は当時の技術で造られた船では南米からポリネシアまで渡る事が出来ないというもの。
ヘイエルダールは自説を証明するために当時の技術、材料、規模と全く同じ条件のイカダを造り、太平洋横断を決意するのだった。

通じない無線、サメ、逸れてる航路…不安ばかりの旅。
全て本物の海で撮影したというロケーションは素晴らしい。作り物ではないリアリティがある。…けれども、どうしても現実感が湧かないの。この人のやっている事が無謀にしか思えなくて~。
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凄い事をした人なのに、「こんなダンナ絶対に嫌だ…」ばかり考えてしまった。わぁぁ…男のロマンが理解できなくてゴメンナサイゴメンナサイ…でも、こんなダンナ絶対に嫌だ。

最終的には「そうなってしまえ!」と密かに思っていた通りになってしまうワケだが、なったらなったで可哀想。

そしてこんな命がけだったのに、結局はこの「ポリネシア人の祖先はアメリカ・インディアン」説は仮設の一つにしかすぎず、しかも劣勢の方なんだもんね…男のロマンってやつは…本当に無謀だっっ

1本の冒険映画としては見応えありました。
が、個人的には、ちょっとコン・ティキ号に乗り込むまでに時間が掛かって間延びした感覚も…。

※ノルウェー、オスロのコンチキ号博物館 (Kon-Tiki Museet)が楽しそう。行ってみたい   

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以下ネタバレ感想

 

 

ペルーにある石の像とポリネシアにある太陽の神・ティキの石像がそっくりだから……。
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根拠はそれだけかいっっっ!!

…いや、もちろんそれだけじゃないけど~。

自分で乗ると言ったのにパニックになっちゃう電器屋うるさい…と思ったけれども、ラストの方には「お願いだから、この時代のワイヤーを使ってくれ!」と、言いたくなっちゃう気持ちも解る。

救いは、トール・ヘイエルダールが穏やかで冷静で自信に溢れていてキャプテンに相応しい性格だって事かな。

航海の間に不信も不満も生まれて来るし、勝手なヤツも出て来るし。それを上手くさばけるリーダー力が凄い。

こんな人なんだからダンナさんだったら優しくて頼もしくていいじゃない…とも思うけれども、やっぱり妻目線では夢見がちな大人にしか見えないから疲れるよね。いつも心配してなきゃならないし。

100日後も子どもに父親がいるといい。
そう言いたくなる気持ちは解るわ…。別れを告げる気持ちも解るわ。

古代人は海を障壁と考えなかった。
人が繋がる道だと考えていたのだ。

我々は昔の人と同じ星を道しるべにしている。

男のロマンだよね…この挑戦は素晴らしいよね…。
(まぁ成功したからね )

こういう数々の無謀な挑戦の上に私たちが歩いてきた歴史の実証があるのだという事だけは胸に刻んでおきたい。

「コン・ティキ」公式サイト

 

 


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・象のロケット

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