『ゴーストライター』真実を知った者は…

ゴーストライター~ The Ghost Writer / The Ghost ~

  

監督: ロマン・ポランスキー   
出演: ユアン・マクレガー、キム・キャトラル、ピアース・ブロスナン、オリヴィア・ウィリアムズ、トム・ウィルキンソン、ティモシー・ハットン、ジョン・バーンサル、デヴィッド・リントール、ロバート・パフ、ジェームズ・ベルーシ、イーライ・ウォラック
公開: 2011年8月27日

2013年3月14日。DVD観賞。

昨年「砂漠でサーモン・フィッシング」を観て、自分は思っていたより遥かにユアンが好きだぞと思い知り、それも忘れたころに「ジャックと天空の巨人」の予告映像を見てワクテカし、ユアン見たさに借りてきた。

元々、一昨年劇場で見そびれてDVDになったら借りようと思ったまま放りっぱなしだったので、ちょうど良かった。

面白かったです。久々に面白いサスペンスを見たと思った。

元英国首相、アダム・ラングの自伝の執筆を高額で依頼されたゴーストライター。前任者・マカラはなぜか自殺しているし、仕事を引き受けた途端に襲われたりワケの解らないことだらけ。
しかも、執筆は英国を離れてラングが滞在するアメリカ東海岸の島で行えという…。

主人公は普通の男であり政治にも特に関心はなく、ワケの解らない様子に尻込みする。
尻込みしつつも、何かが解りかけてくると好奇心が沸きあがってきて、つい追ってしまう。物書きのサガ。

また周りはとっても色々と怪しそうなのに、この元英国首相・ラング自身は爽やかなボンボン政治家って感じで特に曇りも感じさせないんだよね。
このキャスティングは上手いと思った。ピアース・ブロスナンさん。元ジェームズ・ボンドで今は政治家か。
  

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送り込まれて缶詰にされた東海岸の島というのがまた、いかにも何か起こりそうな寂しげな雰囲気。窓からいっぱいに見える灰色の海岸風景が美しい。
  

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実際のロケ地はドイツのジルト島だそうで。

仕事を受けた時にはこんな事になるとは思わず…いつの間にか主人公は政界を揺るがす巨大な陰謀に巻き込まれていく。
  

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ラストの衝撃的な余韻も良かった…。
多くの人がラストで「えええーーー!!」と叫ぶはず。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


「英国特殊部隊を勝手に動かしてアルカイダの容疑者4名を逮捕させ、CIAに引き渡して拷問させた」
という容疑がかかった元首相の自伝。

すぐに今年見たばかりの「ゼロ・ダーク・サーティ」を思い出してしまった…。 ああ、あんたもあの拷問に加担してるのかい、と。
出版社としては、そりゃ「今でしょ!」というよね。まさに売れる時だもの。しかし、色々と知っていく主人公は自伝どころではなくなっていく。

デモのプラカード持って外に立ってた老人の姿が消えているのが気味悪かった。こうやって、みんな消えていくのですよという主人公への警告。

しかし、カーナビすごいなぁ
誰もが口を閉じていた絶対に行けないはずの場所に車が自分で連れて行ってくれるとは。

「一連の冒頭が重要」とは、文書の1ページ目という意味ではなく、各ページの文頭の文字……。

るすばんさせられちゃってつまんな
ーい!テレビもなんかみあきたし、
すごろくでもやろうかな~!でも
はなまるマーケットまだみてない
し、ろくがしたやつもみなきゃ
いけないし、やることいっぱい
あるんだよね。よくかんがえたら。
いけないいけない。ぼーっとしてないで
えいがもみなくちゃ。あれしごとは
いいのかな。そっちまずやれよ!

某巨大掲示板でよく見る「どこをたて読みすればいいんですか」みたいな話ですよね。(ちがう

見つけてしまったのが運のつき……。

事故現場はあえて見せず、通行人の表情で事故の様子を語るラストシーン…。
さよなら。ゴーストライター。
真実を暴いても太刀打ちできない力がこの世にはある…。
ちょっと虚しい。


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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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