『ミリオンダラー・ベイビー』KOされるのは私たち自身

ミリオンダラー・ベイビー
~Million Dollar Baby~

   ミリオンダラー・ベイビー.png

監督: クリント・イーストウッド   
出演: クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン

公開: 2005年5月28日

第77回アカデミー賞 最優秀作品賞・監督賞・男優・女優賞受賞

若干のネタばれ含みます。

家族の愛に恵まれず、田舎から出てきた30代女のサクセスストーリー。

映画が始まった時は、そう思った。アメリカ映画にはよくありそうだった。

人生への最後の夢を抱いて上京してきた女と一度夢に挫折し、もうそろそろ平穏な暮らしを望んでいたトレーナーが出会う。お互いに相手を認め合うようになり、トントン拍子に上へ登っていく。

何の情報もなく見に行ったので、ロッキーの女性版なんだな、このままタイトル戦まで戦って、最後にちょっとしたピンチがあって、でも優勝して。。。。。

しかし、物語は、突然主人公たちと見ている私たちを奈落の底に突き落とす。

30女のサクセスストーリーと、トレーナーとの親娘の愛情にも似た親愛関係のストーリーは、全く色の変わった物になるのである。

衝撃でした。

「理不尽」ってこういう事をいうんだなぁ、と。神様なんて、本当にいるんだろうか。

フランキーはカトリック教徒だ。

彼が聞いた神の声は、納得できる物だったのだろうか。
闇の中に深く沈みながら、その底にある物を模索する。

 

安楽死。

ベッドに括りつけられて他人の世話になる人生と、家族に少しでも金を残せる人生。

見終わって、涙しながらも、人の幸せと尊厳について考えさせられる映画。

※この記事は当方が2000年から運営している某HPの日記コーナーから 2009年にお引っ越ししてきたメモ程度の過去記事です。




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・象のロケット
★前田有一の超映画批評★

comment

  1. くう より:

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    >それまでに感じたことのない、心の深い部分で感じる感動でした・・
    解ります。
    私は、この前年に公開された「ミスティック・リバー」が
    イーストウッドを監督として初めて認識した映画だったの。
    物凄い深い作品を作る人なんだな、と感動しました。
    この映画も衝撃でしたわ。
    あんな展開になるとは思ってもいなかったので。
    私のこの記事は、映画とは何の関係もないHPの
    日記コーナーから引っ張ってきた物なので、すごく雑なんですが、
    今、見直して書けば、もっと深い記事が書けるはず。。。
    なんですよね^^;
    紹介したいと心から思える映画があるって素晴らしい事です。
    だから、映画を見る事は止められないんですよね。

  2. ひきばっち より:

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    この作品は、私が「ブログを始めよう!」というきっかけとなった映画です。劇場公開時には、色々と忙しくて観れなかったので、DVDになってからレンタルしてきて見ました。
    それまでに感じたことのない、心の深い部分で感じる感動でした・・。
    ボクシングという壮絶なエピソードを扱っているにもかかわらず、マギーが寝たきりになってからラストまで、こんなに優しい映画が今まであっただろうか、と思うほど静かで、厳粛なエンディングでした・・。
    「この深い感動を、書き残したい・・未見の方がいたら、紹介したい!」
    という思いから、「ひきばっち~」のブログを始めました・・。
    記事としては一番最初にはなっていませんが、「ミリオンダラー・ベイビー」がなかったら、私はブログをやっていなかったでしょう・・。そんな作品なのです・・私にとって、この映画は・・。

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