『キョンシー』ダーク霊幻道士

キョンシー

~ 僵屍/ Rigor Mortis ~ 

  

監督: ジュノ・マック
キャスト: チン・シュウホウ、クララ・ワイ、アンソニー・チェン、パウ・ヘイチン、チョン・ファ、リチャード・ン、ロー・ホイパン

公開: 2014年10月

2015年7月26日。DVD観賞

1980年代の『幽幻道士』のリブートだというけれども、果てしなくダークなキョンシーよね…。普通~に想像するちょっと滑稽な動きのあの「キョンシー」とはだいぶ違う。ひたすら暗い。恐い。カンフーとアクションを取り入れて香港風、曖昧な描写と切なさでちょっとJホラー風。

◆あらすじ
大ヒットホラー映画に出演してスター俳優として活躍したものの、今では落ち目になった上に妻子とも別れてしまったチン・シュウホウ(チン・シュウホウ)。全てに絶望した彼は、幽霊が出現するとささやかれる団地の2442号室へと入居する。そこを死に場所にしようと考えていた彼だったが、壮絶な過去を背負って生きる子連れの女性、空の棺桶(かんおけ)に固執する不気味な老女、霊幻道士といったさまざまな住民と出会う。やがて団地内にキョンシーが出現し、チン・シュウホウは彼らを相手にした戦いに引きずり込まれていく。(シネマトゥデイより引用)

 

「呪怨」の清水崇監督プロデュースという事で、充分にあの「ワケ解らないからゾッとする」を堪能することが出来るラスト。まぁ…賛否両論なのでしょうが、私は好きなのよ。時系の乱れ。

第26回東京国際映画祭「アジアの未来」部門で上映されたということで、劇場公開は単館らしい。残念だけれども一般受けはしないかもしれない。その分、たぶん自由に作れて清水監督としては楽しかったんじゃないだろうか。アイドル俳優を使い、テレビ放映できるようにR指定の無い作りになっている現在のJホラーの低落を考えると…。

暗い画面に鮮やかな血の色、美しく残酷な回想シーン。

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日本ではもうなかなか作れそうにない、アジアンホラーの醍醐味を味わった。

 

チン・シュウホウの固執するところが「家庭」だというストーリーの芯が切なかった。そう考えるとラストは本当にね…本当に可哀想だ。

香港やタイ、韓国などの幽霊系ホラーが好きな方にはお薦めしておきたい。ぜひ。

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


 

『ペット・セメタリー』を思い出した。死者なんて蘇らせるもんじゃないよね。

けれども、大切に過ごしてきた夫との時間が最期だと思いたくない気持ちはよく解る。個人的に、今、父親を失いそうな時期なので。母にはこんな気持ちや孤独があるのだろうなと思いながら見た。

結果、蘇った者は夫では無くてモンスターだった…。双子のための器ね。

我が子との時間を取り戻したい気持ちがシュウホウを戦いに向かわせる。

根底は、過去と向き合うストーリーだった。だから切ないのだ。

みんな元通りになりシュウホウが首を吊るラストは夢オチなのか。

解説はできないけれども、恐らくシュウホウ自身が望んだパラレルワールドなのだろうと思った。

双子は蘇らず、助けたかった母子は無事な世界。

その世界が構築されるためにはシュウホウは居なくならなければならないのだ。悲しい話。

 

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・象のロケット

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