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『アメイジング・グレイス』どんなに有名でも己を知らぬ者の人生は寂しい

アメイジング・グレイス
~ AMAZING GRACE ~

監督: マイケル・アプテッド   

出演: ヨアン・グリフィズ、ロモーラ・ガライ、ベネディクト・カンバーバッチ、アルバート・フィニー、マイケル・ガンボン、ルーファス・シーウェル、ユッスー・ンドゥール
公開: 2011年3月

        

DVD鑑賞。
「アメイジング・グレイス」は、有名な曲である。讃美歌だが、教会に1度も足を運んだことのない方でも、キリスト教なんか全然興味ない方でも1度は耳にしたことがあるに違いない。

曲の方は諸説あっていつごろ誰が作ったかハッキリしないらしいが、作詞は18世紀にイギリスの牧師・ジョン・ニュートンによって書かれた。
「アメイジング・グレイス」とは、「素晴らしき恩寵」を意味する。奴隷貿易船の船長だったジョン・ニュートンの悔恨の気持ちを込めた歌。

この作品は、長い歴史を持つ奴隷貿易廃止のために奔走したイギリスの政治家・ウィリアム・ウィルバーフォースと「アメイジング・グレイス」誕生秘話を描いたもの。実話ベースである。

「政治家なんて誰がなっても同じで何も変わらない」と常々思っている方だが、だからこそ、こんな政治家がいれば世界中が平和になるのに、と憧れの目で見てしまう。

1日中、奴隷貿易の廃止について考え、身体を壊してまでも奔走する。そこに我欲は存在しない。
ウィルバーは、これが神の道だと信じて、我欲まみれの世界と戦い続ける。

日本にも「えた・ひにん」などという人たちが存在していた時代があるわけだけれども、当時の「奴隷」も人間以下の扱いを強いられていた。奴隷船で運ばれる彼らは、手枷足枷を付けられ、劣悪な環境の中で疫病や飢えで目的地に着く前にどんどん死んでいったというから、ひどい物である。

その部分については作品中では一切描写されない。しかし、元奴隷の人たちから見せられる鎖のついた手枷足枷や、奴隷船の中の様子、セリフから容易に想像はできる。

映画の中では残酷な映像や汚い映像は全くない。「アメイジング・グレイス」のメロディのごとく、美しく正義に溢れた作品である。

美しい心を持った人たちの戦う姿には無条件に感動する。

世界史の教科書で読んだだけでは単語しか覚えられなかった事も、映像で見ると新たな発見がある。

ぜひ、興味を持ってお子様にも見せていただきたい1本です。(中学生以上…かな…)

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

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どれだけ署名を集め法案を出した後も、世界中の船が奴隷を積んでいる!

法案を出し続けて、というバーバラに、ウィルバーは声を荒げる。
彼の心の中が初めて声になって爆発するシーン。

それまでは、どちらかというと逃げたいと思っていたようにも見える…

神が僕をみつけた。

というウィルバーは、本当は神の道・牧師になろうと考えていた。しかし、周囲は彼に人の道を歩かせ続けた。彼が闘い続けなければ、奴隷貿易は廃止される事はなかっただろう。

人の道を歩かせ続けたのも、神の意志。
神がウィルバーを見つけたのは、真実だったのだと思う。

伝記として王道で、お綺麗にすぎる、という声もあるかも知れないけれど、私は素直に感動した。評決で大勝利した時には、思わず拍手したもの・・・

ラストのバグパイプの曲も素晴らしい。
清々しい余韻が残る名作。

・「アメイジング・グレイス」 公式サイト

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