【その土曜日、７時５８分】子どもが悪魔に変わる時

その土曜日、７時５８分
～BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU’RE DEAD～

監督:　シドニー・ルメット 　　
出演:　フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク、アルバート・フィニー 、マリサ・トメイ、ローズマリー・ハリス、マイケル・シャノン、エイミー・ライアン　　　　
公開:　2008年10月

最初から最後まで続く緊張感。
悪魔は何処にいると父は思っていたのか。

ネタバレ含みます。

ああ・・・たぶん私でもこうするんだろうなぁ・・・

と、思えるラストだった。

自分の子供がそんな事をするなんて信じたくないが、目の前にあるのは悪夢のような事実。

立派に独立していると信じていた息子は弟を巻き込み親の店を襲撃し、母親を殺し、今なお他人まで事件に巻き込む悪魔その物になっている。

悪魔を作ったのが自分自身ならば、それはこの手で始末しなければならない。

兄は弟ほど自分は愛されていないと思って育った。表向きは優等生だったが心の奥には悪魔が住み着いていた。いつの間にか薬に手を染め、借金が出来、会社の金を横領した。

では、愛されて育った弟を使って金を稼いでやろう。
どうせ、ヤツも金に困っている。

その計画は結果的には親にも迷惑をかけず、誰にも知られず何もかも上手く行くはずだった。

あそこに大好きなママさえいなければ・・・

人はどうやって大人になっていくのだろう。
弟は赤ん坊だ、という兄は、自分も赤ん坊だった。

育つことが出来なかったのは、親の愛が足りないせいだ。
困らせるのは父親だけで良かった。

自分自身が育てた悪魔を始末するために父は自分も悪魔になる。

原題は「お前が死んだ事を悪魔に知られる前に」。

天国へ送ろう。

悪魔には、もう知られてしまっている。。。とは思わないのかな。
そこにすでに住み着いている、それ自身が悪魔なのだと。

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