『トラフィック』密売の悲劇から繋がる3つの話

トラフィック
~TRAFFIC~

  

監督:  スティーヴン・ソダーバーグ
出演: マイケル・ダグラス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ベニチオ・デル・トロ

公開: 2001年4月

第73回 アカデミー賞監督賞・助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)
第58回 ゴールデン・グローブ賞助演男優賞・脚本賞
第51回 ベルリン国際映画祭銀熊賞(男優賞・ ベニチオ・デル・トロ)

この映画はアクション物なのだと勝手に思いこんでいた。

どうせ、麻薬を巡って、売人とマイケル・ダグラス扮する捜査官が、撃ち合ったりして、そして「正義は勝つのだー!」という結末・・

でも、全然違った。アクションなんて、ほとんど出てきません。

マイケル・ダグラスはあごがたるんだ、ただのおじさんです。やっている仕事は華々しいが、家族の気持ちもつかむことができず、離れていく娘に不安と焦りを感じている。

キャサリン・ゼタ・ジョーンズは贅沢な友達と可愛い息子と、お腹の赤ちゃんに囲まれた華やかな社交界から、突然見放されて、何とか立ち直るために手を染めていく、たくましいが悲しい女。

そして映像の中では黄色の世界、メキシコ。
ここに登場する第3の主人公、国境地帯の刑事。
彼もまた、彼自身の貧しさ、国の貧しさ、薬に手を染めて殺された友、そして狙われる自分の命・・・それらの中で悩んでいく。

「麻薬」はそれらを引き起こした材料でしかなく、元々の悪因は全てそれぞれが持っていた物。

3つの世界の中で悩み生きていく主人公達の生活を描く、大変社会派な映画でした。

メキシコ刑事役のベニチオ・デル・トロは、この映画の中で一番印象的な役者さんでした。

私好みの「いい男」とか「カッコイイ」とかでは決してないのですがすごーく惹かれる人でした。しぶーい演技派俳優ですねー。

・・・動いて、しゃべってカッコイイって人です。

芸能界などでも、よく騒がれる麻薬ですが。。。

魅力があるのかなぁ。。。金になる限り、無くなる事はないんでしょうね。
「悪いと解っているのに世界から無くならない物」の1つ。

関わった人間に苦しみしか与えないのに。

※この記事は当方が2000年から運営している某HPの日記コーナーから2009年にお引っ越ししてきた簡単過去記事です。

マイケル・ダグラス/トラフィック

マイケル・ダグラス/トラフィック
価格:4,104円(税込、送料別)


トラフィック@映画生活トラックバック
・象のロケット
★前田有一の超映画批評★

comment

タイトルとURLをコピーしました