【マリー・アントワネット】 時代を把握できなかった王妃の目線

マリー・アントワネット ~MARIE ANTOINETTE~

    

監督:  ソフィア・コッポラ
出演:  キルステン・ダンスト、ジェイソン・シュワルツマン、リップ・トーン、ジュディ・デイヴィス、アーシア・アルジェント、マリアンヌ・フェイスフル、ジェイミー・ドーナン、スティーヴ・クーガン、ローズ・バーン、オーロール・クレマン、シャーリー・ヘンダーソン、モリー・シャノン、ダニー・ヒューストン、クレメンティーヌ・ポアダッツ

公開: 2007年1月20日
2007年2月7日 劇場観賞

パンが無ければお菓子を食べればいいのよ。ハート.gif

のセリフで有名な、フランス国王ルイ16世の王妃。

もっとも、この言葉、劇中でもアントワネットが言っていたように 実際には王妃が言ったわけではなく、でっち上げらしい。

不評が多い映画だったので、迷ったのだけど「ベルばら」を 読み込んだ世代としてはどうしても見ておきたい作品だった。ストーリーはどうでも、とにかく美しいベルサイユ宮殿、美しいドレス、 その当時の空気に触れてみたかったのである。

多くの映画ブロガーさん方が書いているように、映画の内容は 歴史をなぞる事は全くなく。。。

ただ

踊って、着替えて、食べて、夜遊びして、着替えて、食べて、踊って、遊んで。。。。。

の繰り返し。当時の民衆の声や姿は何もない。

でも、私は思ったの。

これが彼女その物なのだろう。これが当時の彼女の目線だったのであろう。

当時の歴史背景も情勢も何も解らない映画。
それは、アントワネット自身を表しているのだ。

つまり、知らない隣国に嫁ぎ、好奇の目線に晒され、 身体的に夫から愛されず、世継ぎを急かされ、 どうにもならない孤独の中で、遊びと贅沢にふける。。。国民の声など知る事もなく、知ろうともせず、 あるのは自分の孤独と悩みだけ。

どんなに贅沢をしてもしても満たされなかった王妃の心は 私の心にも、しっかり染みてきた。

美しい王宮と目まぐるしいポップな音楽、騒がしい、忙しい、 そんな中にもポッカリと見える美しい青い空。

彼女の望みは、多分ただ一つ。
愛されたかっただけなのに。

もっとも、私がこの映画にこんなに入り込めたのは、 元々、この時代とブルボン王朝に関心が深くて、 いっぱい本を読んでいたから。。。かも知れない。

 

そして、その切っ掛けを作ったのは、他ならぬ 「ベルサイユのばら」でありマリー・アントワネットだったから。

興味がない人が見たら、ただ遊んで着飾って食べて。。。で、お腹一杯になっちゃう映画かも知れない、と思う。笑.gif

子供の葬儀の場面なんて、いきなり葬儀で誰の葬儀なのかも解らないだろう。

これは、多分、第一王子・ルイ・ジョゼフの葬儀だと思うのだけど、 (第一王子は7才で病死している)アントワネット目線で描いている割には この場面、全く悲しみが伝わってこない。

それは、もしかしたら、ルイ・ジョセフは世継ぎだからアントワネットとは 引き離されて育てられており、アントワネット自身にとっても 何だか急に死んでしまった、という程度の出来事だったのかなぁ。。。
と想像してみた。

いずれにせよ、そういう説明不足なシーンは多かったと思う。

「ベルばら」を読み込んだ人たちが、補足的に視覚として楽しめる映画。「マリー・アントワネット」は、そんな映画だったかも知れない。

 

歴史解説補足 マリー・アントワネットの子どもたち

アントワネットは子供を4人出産している。その内、第2王女は1才で亡くなり、第1王子は7才で亡くなった。

しかし、ヴェルサイユで王子、王女として亡くなったこの2人は 子供達の中では幸せな2人だったと言える。

第1王女、マリー・テレーズは、国王と王妃が断頭台の露と消えた後も 長く幽閉され、いずれ捕虜と交換でオーストリアに引き取られて 従弟のアングレーム公と結婚している。

父や母を殺した革命を憎み、その後も波瀾に満ちた人生を送り、 頑なな心のまま72才で亡くなった。

第2王子、ルイ・シャルルは、王政復古派に奪われないために幽閉され続け、 虫が湧き、汚物にまみれた劣悪な幽閉環境の中で、わずか10才で病死している。

【関連記事】
「王室・宮殿」が出てくるおすすめ歴史映画まとめ

楽天で見つけた、私が読んだフランス革命関連本↓

・ハプスブルクの子供たち
・王妃マリー・アントワネット(上巻)
・王妃マリー・アントワネット(下巻)
・歴史を騒がせた“悪女”たち
・ヴェルサイユ宮廷の女性たち
・マリー・アントワネット(上)新装版
・マリー・アントワネット(下)
・ハプスブルク家の女たち
・世界史怖くて不思議なお話
・皇女アナスタシアは生きていたか
・ブルボン家の落日

この記事は2009年に楽天ブログからインポートしてきた過去記事です。コメントはお引っ越し出来ましたが、トラックバックは引っ越せませんでした。

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★前田有一の超映画批評★

コメント

  1. くうふう3 より:

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    >池田理代子は偉大だな~と思いながら見てました。
    よく調べてるんですよね。
    オスカルの周辺以外は、ほぼ史実ですもんね。
    この映画を見たら、また「ベルばら」を読み直したくなりませんか?(^_^;)

  2. ミチ より:

    SECRET: 0
    PASS:
    まさに
    >「ベルばら」を読み込んだ人たちが、補足的に視覚として楽しめる映画。
    これです!(笑)
    知っているエピソードばっかりなので楽しかったです。
    池田理代子は偉大だな~と思いながら見てました。

  3. くうふう3 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >食って、食って、着替えて (●/▽\●)
    >帰りにケーキを買って帰ったのは言うまでもない(笑)
    お菓子美味しそうでしたもんね~。
    私もケーキ買って帰ったよ(^_^;)

  4. くうふう3 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    お久ぷりです♪
    >くぅさんは、沢山の本を、お読みになられているのですね。
    歴史上の事に、一つ興味を持つと、色々読み漁ります(^^;)
    歴史おたくですわ。
    >私は「ベルばら」さえも、きちんと読んだことがないのですが、この映画を見て、興味が湧きました!
    そういう方が増えるだけでも、この映画の意味が
    あったと思います(^.^)
    ベルばら読んでから観ると、また違った感想が出るかもです。

  5. くうふう3 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >歴史の事実はもっと過酷ですね。彼女の子供たちのその後なんかの話を知ると、胸が締め付けられる思いです。
    いつの時代も親の尻ぬぐいをして犠牲になるのは
    子供ですね~(–;)
    気の毒な一族です。
    この時代に産まれた事が不幸でしたね。

  6. くうふう3 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >「ベルばら」を知っていると、それなりに楽しめるのですか~。
    >私は、知らないのですよ。(>_<)
    >だから宮殿や衣装やらぐらいしか、見所も感じなくて…。
    そしたら確かに、今イチ入り込めなかったかもですね(>_<)
    私にとっては「ベルばら」番外編くらいの感じでした。
    >この作品が無かったら、彼女を知る機会も無かったことでしょう。(・。・;)
    でも、それは良い事では?
    これを機会に興味持った方もおられるかも知れませんし(^.^)

  7. くうふう3 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >お客の満足を満たすには、
    >いろんなところを整形しなきゃいけない女優さんなんですね・・
    >キルステン・ダンストさんって。
    確かに目つきも悪いかも。。。(^_^;)
    でも、私は歯の方が気になりますわ。
    しかし、この映画の彼女、なかなかキュートじゃありませんでした?

  8. あんぱんち より:

    SECRET: 0
    PASS:
    食って、食って、着替えて (●/▽\●)
    帰りにケーキを買って帰ったのは言うまでもない(笑)

  9. 空(そら) より:

    SECRET: 0
    PASS:
    こんにちは!TBありがとうございました(^^)
    くぅさんは、沢山の本を、お読みになられているのですね。
    私は「ベルばら」さえも、きちんと読んだことがないのですが、この映画を見て、興味が湧きました!
    第一王女・・・なんだか、かわいそうな生涯だったのですね(涙)
    くぅさんのレビューを拝見して、泣きそうになりました。

  10. 夏恋karen より:

    SECRET: 0
    PASS:
    美しい色と音楽で包み込んだ映画マリー・アントワネットだったけれど、それは彼女の目線そのまんまのベルサイユ宮殿だった・・・なるほど~!ホントにそうだと思います。
    歴史の事実はもっと過酷ですね。彼女の子供たちのその後なんかの話を知ると、胸が締め付けられる思いです。
    トラバありがとうございました♪私もいただいて帰ります♪

  11. みっしゅ。 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    おはようございます。
    「ベルばら」を知っていると、それなりに楽しめるのですか~。
    私は、知らないのですよ。(>_<)
    だから宮殿や衣装やらぐらいしか、見所も感じなくて…。
    この作品が無かったら、彼女を知る機会も無かったことでしょう。(・。・;)

  12. ひらりん より:

    SECRET: 0
    PASS:
    お客の満足を満たすには、
    いろんなところを整形しなきゃいけない女優さんなんですね・・
    キルステン・ダンストさんって。
    だから、ハリウッド女優には、整形疑惑があるのかも???ですかね。

  13. くうふう3 より:

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    >豪華絢爛の宮殿が、観て見たい。
    >でも、
    >話は、わかりきっているから・・・躊躇している。
    私もね~、迷ったんだよ。
    でも、実際のベルサイユ宮殿で撮っているなんて
    凄い事じゃない?
    どうしても観たかったの。
    迫力だったよ♪
    映像はキレイだった。
    私は王妃の悲しみにも浸れたし。。。
    「ベルばら」を読み返したくなったわ(^.^)

  14. OMITA より:

    SECRET: 0
    PASS:
    こんばんは。
    どうしようか、迷っている。
    とりあえずは、気になる映画を先にみているのだが・・・
    豪華絢爛の宮殿が、観て見たい。
    でも、
    話は、わかりきっているから・・・躊躇している。

  15. くうふう3 より:

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    PASS:
    >くうふうさんのブログ読んだだけで泣けてきそうです(/_;)
    映画自体はポップで華やかで美しい映画ですよ。
    目に楽しい。
    だけどアントワネットの心を考えると悲しいって感じ。
    >んーシアターで観て見ようかDVDになるのを待つか・・悩みます。
    見る時間があるならば劇場をお薦めします。
    本物のベルサイユ宮殿をロケに使った華やかな映像の迫力を楽しめるよ(^.^)
    >追伸
    >部活大変なようですね(^_^;)
    >ガンバレー負けんなぁ!!
    うん。。。いいんだ。
    もうすぐ終わりだから。頑張る~!

  16. ゆう116 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    くうふうさんのブログ読んだだけで泣けてきそうです(/_;)
    んーシアターで観て見ようかDVDになるのを待つか・・悩みます。
    追伸
    部活大変なようですね(^_^;)
    ガンバレー負けんなぁ!!

  17. くうふう3 より:

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    >きれいな装飾にきれいな衣装、ブルボン朝の宮廷文化を楽しめましたね。小難しい映画になっていなくて、安心しましたw
    歴史が全く見えてこないので、そういう意味では
    暗くならない映画でしたね。
    映像を楽しませてもらいました♪

  18. くうふう3 より:

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    PASS:
    はじめまして。コメントありがとうございます♪
    私はベルばらにドップリだったし、歴史背景は
    解っていたので、ただただアントワネットの気持ちに
    なって見ていました。
    賑やかな映像でしたが、何だか寂しかったです。

  19. 今日感 より:

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    PASS:
    こんばんは!
    きれいな装飾にきれいな衣装、ブルボン朝の宮廷文化を楽しめましたね。小難しい映画になっていなくて、安心しましたw

  20. くうふう3 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >いくら名誉や地位 お金があっても埋められない
    >人と人の愛・・・・
    外交的な事を考えたら子供も作らなくては、と焦った
    だろうしね~。。。
    14才で、そんな気持ちになるなんて可哀想。
    何だか、どっぷりアントワネットの気持ちになってしまったわ。
    でも、ミルちゃんの言う通り、口元はとっても気になった(^_^;)

  21. amiromika より:

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    はじめまして。私も観て来ました。がこちらのブログを読んで、そうか、マリーの目線で・・・って言葉に納得させられました。ほんと、着替えて食べて遊んで・・・の繰り返しでしたし内容的には淋しいものがあったのですが、ほんと愛して欲しかったんですよね。うんうん(。_。)

  22. SECRET: 0
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    彼女はたった14歳で異国の国の嫁なんだもんね
    家の長男と同じ年
    はっきり言って無理って年齢だよね
    そして好奇の目だもんね
    旦那になった王子もお子ちゃんやもん
    愛して欲しかったんだろうね
    いくら名誉や地位 お金があっても埋められない
    人と人の愛・・・・