『ブーリン家の姉妹』ヘンリー8世の王妃たち

ブーリン家の姉妹
~THE OTHER BOLEYN GIRL~

   

 

監督: ジャスティン・チャドウィック
出演: ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナ、ジム・スタージェス、クリスティン・スコット・トーマス、デヴィッド・モリッシー、ベネディクト・カンバーバッチ、アナ・トレント、エディ・レッドメイン、ジュノー・テンプル、アンドリュー・ガーフィールド、アルフィー・アレン

公開: 2008年10月

ハリウッドの若手2大女優、ナタリー・ポートマンスカーレット・ヨハンソンの夢の共演。

16世紀、17世紀のイギリス・ヨーロッパ史は学生時代から世界史の中で一番好きな所。豪華な宝石や衣装、美しい建築と美術品。

しかし、その美しさの影には権力を欲したい人々のドロドロした争いがある。

女たちは権力闘争の道具にされ、身分の高い男の寵愛を得るために自らを磨き、シナを作る。美しいスカートの下には、より上へのし上がる為の女の武器が隠されているのである。

16世紀のイングランドで、トーマス・ブーリンは、男子を授からない国王のために、美しい娘、アンを差しだそうと画策する。しかし、王の目に止まったのは、控え目で優しい妹メアリーの方だった。美貌に自信があり、上昇志向の高いアンは、この事で妹を憎むようになる。やがて、子供を身籠り寝たきりになったメアリーに興味を失っていった王に、アンは近付いていく。

美しく勝ち気なアン・ブーリンをナタリー・ポートマンが素晴らしい演技で好演。国王の寵愛を得るために画策する姿、追いつめられて鬼のようになっていく姿、どれを取っても素晴らしい。

エリック・バナも、アンに翻弄されていく国王ヘンリー8世の苦悩や喜びを好演。

実は、エリック・バナは大好きな人なので。。。歴史上で最もと言って良いくらい私が嫌悪感をバリバリに抱いていたヘンリー8世をエリックがと、思っていたんだけど。。。エリックだったから、嫌悪感なく見れました。  

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…っつーか、どこも似てないし面影もないし

仲が良かった姉妹が国王を挟んで愛と権力に翻弄されていく姿は悲しかった。

光と影と、ドレスの緑や赤の映える映像は美しく臨場感たっぷり。この時代に興味が薄い方でも、見る価値がある一本だと思う。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


とにかく、ヘンリー8世というのは、サラッと人物の名前と年号しかやらないような学校の世界史の授業で教わっただけでも嫌悪感を抱くようないけ好かない男だった。

何せ、彼が作ったイギリス国教会というのは女好きが高じて出来たような物なんだから。

そして、その原因となったのが、このアン・ブーリンなのでございます。

しかし、アンの肖像は、とっても大人しくしとやかな印象。とても、王を翻弄して、こんな大それた事をしでかしそうな女性には見えない。

対してナタリー・ポートマンのアンは、バリバリ権力への階段を邁進する。その姿は自信に溢れ、計算高く、そして美しい。

エリックのヘンリー8世は、メアリーに生い立ちの寂しさを語ったりして、ああ、この人も寂しい人なんだなぁ。。。と思わせてくれた。しかし、女好きな所は史実と変わらず。。。

時代が時代だから仕方ない。
救われなかった姉と救われた妹。

アンの処刑シーンは胸が痛かった。

弟も可哀想すぎる。。。

そして、
私のこどもたちが。。。
と嘆く母の姿も。。。

このお母さんが一番賢く、時代の流れや宮廷の仕組みを解っていたのにね。

田舎で暮らすメアリーの姿を映したラストには救われた。

この天国のような明るい世界を離れて、やがて、アンの遺児であるエリザベスが
再び権力の世界に飲まれる事となる。

イギリスは、その時、黄金時代を迎えるのだ。

・ブーリン家の姉妹 公式HP www.boleyn.jp/

 

 

ブーリン家の姉妹@映画生活
★前田有一の超映画批評★

comment

  1. くう より:

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    >たまに公開作品とタイアップして番組作りしてるので、
    映画を観る時に参考になります。
    以前は好きでよく見てた番組だったんだけど、
    最近その時間帯はドラマの時間になりつつあります(-_-;)
    私ももっとお勉強しないと~(>_<)
    ブーリン家のお屋敷には、アン・ブーリンの幽霊が
    出そうですね~(~o~)

  2. くう より:

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    お母さんはお気の毒でした。。。
    結局、娘も息子も亡くしてしまって。
    こんな未来を初めから予想していたので反対して
    いたのかも知れませんね。
    >そうそう、このお母さんもヘンリー8世の元愛人だったのでしょう?
    そういう説もあるみたいですね。
    後でwikiを見て初めて知りました。
    親子で愛人。。。秀吉の甥みたい(-_-;)

  3. くう より:

    SECRET: 0
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    いつもお世話になっております(__)
    すいません。。。トラバが飛ばないのですね。
    もう、このブログ会社の間のトラバ相性と言うのは
    悩みの種です。
    楽天の方でも記事を作っていますので、今度
    そちらの方からも付けさせて頂きますね。
    楽天の方ならば飛ぶかも知れないので。。。
    今後もよろしくお願い致します。

  4. くう より:

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    うふふ♪道さんも、こういう時代物がお好きで嬉しいです♪
    >ローマ教皇庁との決別の裏には女ありってことなんて歴史の先生は教えてくれないもん。
    こういう所から入っていけば、みんな授業が頭に入りやすいのにね。
    >エリック・バナは肖像画のヘンリーよりは随分イイオトコでした(笑)
    良い男すぎですよ♪
    あんなヘンリー8世だったら、妻がいっぱいいても
    許せそうです(^.^)

  5. くう より:

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    コメントありがとうございます~。
    世界史の中でも興味深い所ですね。
    ヨーロッパの国々の王室も、結構、血が繋がっていて、
    ドロドロした事件も多い時代です。
    小説や映画の題材に事欠きませんね。
    >ちなみにイギリス正教会ではなく、イギリス国教会と通常言われます
    直させて頂きました~(__;)
    何で「正」と書いたのか自分でも解りません。。。
    お恥ずかしいですわ~。

  6. ひらりん より:

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    たまに公開作品とタイアップして番組作りしてるので、
    映画を観る時に参考になります。
    アン・ブーリンはエリザベス女王の母として英国では超有名人だけど、
    メアリーの存在は、つい最近までほとんど知られてなかったとか。
    ブーリン家のお屋敷は、博物館みたいに、当時のものを展示してて、観光スポットになってるみたいですよ。

  7. ぷちてん より:

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    こんばんは~。
    >このお母さんが一番賢く、時代の流れや
    宮廷の仕組みを解っていたのにね。
    そうですよね、夫のすることを止めることは、当時の妻にはできないことだったのでしょうが、その先どうなるのかよく分かっていたでしょうに、止められないって気の毒にと思います。
    そうそう、このお母さんもヘンリー8世の元愛人だったのでしょう?

  8. SECRET: 0
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    TB有難うございます。
    当方からのTBが掛かりませんが、記事は
    いつも大切に反映させて頂いております。
    今後とも宜しくお願い致します。

  9. ミチ より:

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    歴史で習ったイギリス史の裏にはこんなことが~!って知るのが楽しいですよね~。
    ローマ教皇庁との決別の裏には女ありってことなんて歴史の先生は教えてくれないもん。
    エリック・バナは肖像画のヘンリーよりは随分イイオトコでした(笑)

  10. sakurai より:

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    ここの部分はやはり世界史の中でも、一番興味深いところですからね。
    ちなみにイギリス正教会ではなく、イギリス国教会と通常言われます。

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