『アイズ』(2015年) 表札マーキング「F」「A」「T」…

アイズ
 

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監督: 福田陽平
キャスト: 伊藤万理華、おぞねせいこ、山田太一、中川慶二、遠藤耕介、山田朱莉、西洋亮、高橋健一、今野浩喜、小林愛奈、優恵
公開: 2015年6月6日

2015年6月9日。劇場観賞

見終ってしばらくニヤニヤしてしまった。いや…見ている間モヤモヤしていた事はラストで納得できた。要は忍耐ね…。挫折せずにラストまで辿り着いて下さい。。

◆あらすじ
マンションの表札に、何者かの手によってFの文字が書かれているのを見つけた平凡な女子高生・山本由佳里(伊藤万理華)。その奇怪なマークの存在に気付いてから間もなく、友人が事故で命を落としたり、母親が自殺を図ったり、父親が姿を消したりと、彼女と周囲で不穏な出来事が相次ぐように。さらにマーキングは増え続け、由佳里は少女の幻覚に襲われる。マーキングをした人物、幻覚として現れる少女の正体を突き止めようとする由佳里。次々と怪現象に襲われながら、彼女は一連の事件に隠されていた思わぬ真実に近づく。(シネマトゥデイより引用)

正直、クライマックスのあのシーンが長くて長くて…。。いやいや、もうこの展開は全観客が最初から気づいてたから。知ってたから泣けないし、泣くために観に来たわけでもないんで早送りさせて…。と、思いながら観ていた。

もしかしたら泣かせようと思ってやっている演出じゃないんだろうか…と思ったら、ちょっと恐くなった。しつこすぎて。意図も解らず、滑稽にさえ見えるあのシーンからの「ああ…そう来るのか」「はぁ、そう来たか」のオチは、やっぱり意図せず恐いかも。

ホラーとして特にゾッとするシーンもビクッとするシーンもなく、オチすら見えている気がしていたけれども、見終ってからジワジワ来るものがある。

霊よりもね……生きてる人間だよね…。

このキャラ必要なのかとか、このシーン必要なのかって部分はだいぶあるけれども、今から考えるとそこすら不気味だ。映像自体もずっと不気味だったんだ。現実感無くて。

主役の人は乃木坂46の人なのだとも知らずに見た。この手のいわゆるアイドルホラーの中では上手い方だと思う。

どうしてこんな表情をするんだろう、とか、ちゃんと喋らないんだろうというシーンはいっぱいあったけれども、それは作品自体が「ある事」を隠している系なのでラストまで歯切れ悪く続くのである。仕方ない。

だからモヤッとする所も多いんだけども、最後まで見てしまえば面白かった気がする

ホラーって、どこが恐怖の糸に触れるかは人それぞれだから。そういう風に思える程度に良作。 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


 

翔太が居ない事なんか、最初から全観客が気づいてるじゃんか。もったいぶって引き延ばして、何なのこの長い長い泣きのシーンは…。スクリーンにリモコン向けて早送りしたい…。

…と、思いながら見ていたんだけれども、繰り返される翔太のスピードお着替え泣きを見ている内に「あれ、このシーンって可笑しいよね…泣かせるどころか、もしかしたらギャグなのか」と思い始め、これが泣きのシーンじゃないという不気味さにゾーッとするという変わった恐さ。。

友達だか何だかよく解らない存在の遠藤も、かまってくれたと思ったらサーーッと場面から姿を消し、本当に存在するのかこの人…と思ったら恐い。

田中の代りに奈保が死んだことになっていたけれども、どう考えてもあれは主人公がグズグズしていたせいで1本バスを見送ったんだし。なのに奈保の霊が全く絡んでこないのも不気味。

なんせ「この人も死んでいるのでは」と思っていたお父さんが実は生きていてワケの解らない言動を繰り返しているのに一番モヤモヤしていたんだけど~。

弟が見えちゃうような精神不安定な娘を放っぽって何処行っちゃってるんだよ、と思っていたら、結局あんたが由佳里に翔太を見せてたんかいっっっ!!…という所にストンと落ちたので。

そうなると、それまで脚本のアラだと思っていた遠藤たちの描き方のいい加減さも狙ってやっているのでは~と思えてくる。「狙っている」となると、この人たちきっと全員存在しないんだと思うのが普通だ。

…で、そう考えると恐い。とっても恐い。。

幼い頃の由佳里に「お前が殺したーーお前が殺したーー」言いながらガクガク近づいてくる女も恐いし~。あれは個人的に恐い。『リング』がトラウマなので貞子を思わせるものは恐い。(なのにこんな私が笑っちゃう「貞子3D」とかって逆に凄い。)

マーキングの文字「運命(FATE)」とか「FAITH」とか、どーでもええわ…と思っていたんだけれども、それが「FATHER」に変わってお父さんが帰ってきたって所にはゾッとしたね。

「僕たちは運命を乗り越えられる家族だ」とか朝ドラみたいな臭いこというオヤジだなと思っていたのに最終的にはお前が黒幕か…みたいな~。

結局、みんなおかしくて、みんな存在しているのか解らなくて、みんなが主人公の妄想かも知れない。

結果的には全部が妄想悪夢だったんだよっていうのはホラーのオチとしては反則なんだろうけれども、この映画の場合はそう解釈した方が面白い。。

・『アイズ』公式サイト

 

 


アイズ@映画生活トラックバック
・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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★★★邦画・あ行ホラー日本映画

 

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この記事を書いた人
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奈可久う子(くう)

◆ドラマ・映画 エンタメ系ライター&ブロガー。◆ハウツーサイトやリクルート・キュレーションサイトなどで映画紹介のライターしておりました。(お仕事はいつでも有り難くお受けします)

◆映画の評点はあくまでも私感です。(平均が2.5で1と5は滅多に付けていません)

◆戦争とホロコーストテーマの作品観賞がライフワーク。

◆レビューは上半部はネタバレなし感想、下部は観了した方と感想を共有できるように書いています。(古い記事は簡単感想です。時間のある時にリライトしています)

◆姉妹ブログ「ドラマ@見とり八段」

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