『惨殺のサイケデリア』残酷童話集

惨殺のサイケデリア ~ 追凶 / FAIRY TALE KILLER ~

    

監督: ダニー・パン   
キャスト: ラウ・チンワン、ワン・バオチアン、エレイン・コン、ジョーイ・マン、ケン・ロー、ジェームズ・ホー、ゲーリー・チウ、ロク・インクワン、エレーナ・コン、ラム・シュー
公開: 2014年5月17日

2014年10月28日。DVD観賞

邦題…ぇ……である。

英題を直訳すれば「殺人の童話」。中国タイトルだと「瞳」 もう一つの中国原題『完美童話』だと「完璧なおとぎ話」。

「サイケデリア」ねぇ~……と、首をかしげつつ…。うん。ビミョウかも…。

ホラーだと思って見たのだけれどもホラーとはちょっと違うかも。『SE7EN』のようなサイコサスペンスを…『SAW』のような猟奇サスペンスホラーを目指したのかも知れないけれども、そこへ行くにはかなり弱い。

簡単感想で。

あらすじ:
香港警察のワン刑事(ラウ・チンワン)は、5人の男を殺したというウン(ワン・バオチャン)の証言を基に被害者とされる男の家に行くが、当人がいたためウンを追い返す。翌日、男が死体で発見され、ウンを逮捕。だがワン刑事たちの過去の捜査ミスが世間にさらされ、ウンを釈放。ウンの追跡のため、ウンの家に入ったワン刑事たちは大量の絵を発見。そして今度は、その絵に描かれたのと同じ状況の殺人事件が起こり……。(「シネマトゥデイ」より引用)

『the EYE』のパン監督(今回は弟のダニー・パン監督のみね)って事で、ちょっと期待した。『the EYE』はゾッとする描写も結構多かったので。

けれども、先ほども書いたように、これホラーじゃないし。 タイトルに『惨殺の』とか付いている割にはその惨殺描写も今ひとつ。

「金の毬」「赤ずきん」「狼と七匹の仔山羊」など童話をモチーフにした猟奇事件が起きるというアイデアは面白いものの事件自体は割とサラッと…。結果的にはサスペンス面よりも刑事たちがアホすぎるという「ダメダメ殺人課刑事物語」になってしまっているのだった。

自閉症に関連する話でもあるので、見て不快に思う方もおられるはず。関係者の方にはお薦めしません。

切ない背景もあり、家族の物語でもあり、警察内部足引っ張り物語でもあるわけだが、どれもハンパ過ぎてツッコミ物語に終わってしまった。 最終的には、ちょっとシャマランっぽい解決。

映像はゾッとする部分もあったので、パン監督ならばやっぱり霊が出てくる純正ホラーが見たい。

 


以下ネタバレ感想

 

 

白塗り犯人はアトピーを馬鹿にされ、お姫さまは自閉症で、共に施設で虐められて育った。その復讐物語。

切なくはあるが、ネタとしては有り触れている。

主役のホンが自閉症の息子と向き合うことから逃げている…というのも、だから仕事にかまけて残業三昧し、出世街道を歩んで人格が変わった…というのも、ちょっと説明が浅い気がするの。だって、少なくとも昔は親子仲良くて良い家族だったんだよね。いつ、なぜ変わったのか。

犯人・ソイグァンがホンを巻き込んだのは、ホンを家族の英雄にするための計画だった。

そこまでしてやるほどホンが良い人に見えなかったのも説得力がない要因かも。

ラストの「ラプンツェル」は、よくあんなにいっぱい1人で吊るしたり装置造ったりできたよね、ソイグァン…という最大のツッコミと共に見た。

あんなにソイグァンを恐れていたユイーが仲良く手を繋いで燃えていくのも今ひとつワケ解らず…。

最終的には蛙はお姫さまと一緒になれ、ホンも家族とやり直せ、捜査課もボスに助けてもらって何となくまとまっただろうから…童話的にはハッピーエンドってことでいいんだろうか…。

 


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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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