『まほろ駅前狂騒曲』ライター、子育て、小指

まほろ駅前狂騒曲

      まほろop.png

監督: 大森立嗣   
キャスト: 瑛太、松田龍平、高良健吾、真木よう子、本上まなみ、永瀬正敏、奈良岡朋子、新井浩文、三浦誠己、古川雄輝、横山幸汰、岩崎未来、水澤紳吾、大西信満、原田麻由、宇野祥平、市川実和子、伊佐山ひろ子、麿赤兒、松尾スズキ、大森南朋、岸部一徳
公開: 2014年10月18日

2014年10月20日。劇場観賞

シリーズをずっと見てきた人間にとっては愛おしい作品である。
出会いの時から多田と行天を繋いできたエピソードが集結された作品。

原作は三浦しをん氏の小説『まほろ駅前狂騒曲』。映像化シリーズとしては映画『まほろ駅前多田便利軒』、そしてドラマ『まほろ駅前番外地』から続く今作。

あらすじ
多田啓介は、まほろ駅で「多田便利軒」という名の便利屋を経営している。相棒は中学の時の同級生・行天春彦。
今回の依頼は、行天の元妻・三峯凪子からの物。仕事で海外に行かなくてはならないので娘の「はる」を預かってほしいというのだった。はるは行天の娘であり、多田は困惑する。
そして、面倒な依頼はこれだけではなかった…。

親から受けたトラウマと向き合う機会を与えられた行天を見守る多田の視線が優しい。

子どもに関するトラウマを持つのは行天だけではない。多田だって子どもを預かる事には戸惑いがあったわけで…。それでも多田は行天のためを考えて行動する。

仕事を遂行していく内に、「多田の知らない行天」がたくさん浮かび上がってくる。

まるで、夫婦に隠し事があっちゃいけないのかよ、みたいなやり取りが可笑しかったり悲しかったり。

笑えて泣けて、温かいという定番の「まほろ」世界を充分に堪能できる。
今回は2人のお父さん(お母さん)姿も見られるからね。ファンにとってはお得な映像満載である。♥

冒頭にかる~く登場人物説明は語られるので今まで見たことない方でも問題ない…とは思う。けれども前作連ドラまで全て見てキャラにハマっている人向けなのは確実。

個人的には星さんの出番が多すぎてワクワクした。♥
   まほろ1.png

相変わらずのゆるさと、笑いと、苦さが混同した切なさ。

クライマックスは、ちょっと、えーーーこれは無いわ… というシーンもあったわけだが…まぁ…まほろファンタジーだから。

2人の夫婦っぷりと、はるちゃんの可愛さと、そして身勝手な親から卒業する行天の姿を見守る大人のファンタジーである。

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね  


以下ネタバレ感想

 

前作の仕事で送り迎えしていた由良(横山幸汰)くんがまた出て来るとは思わなかったなぁ。

塾に行かせて親は何をしていたのか…あれはただのお仕事ではなかったらしい。
「HHFA」という新興宗教のような組織はあのオウムを思い出させる。

多田の知らない行天。

行天は「HHFA」の子だった。由良と同じ。親の勝手な思想を押し付けられて、虐待を受けて、そこから自由になりたかった。

この世界の暗の部分が、この親子関係にあったんだよね、ずっと。

自分の子どもと会って、自分は自分の親とは違うのだと確信すること。
「HHFA」と再会して、自分は決して戻らないのだと確信すること。

そうする事で、行天はやっとトラウマから卒業する。

永瀬正敏が何だか雰囲気変わっちゃって…中盤くらいまで「どこかで見た人」だと思っていたけれども気づかなかった。

バスジャックからラストまでの流れは、ちょっと、驚いた…。警察が無能すぎて引くよ、あれは。イライラして、早く救急車呼べよと叫びそうだった。

とりあえず…みんな無事だったらしいけれども由良は、あれ、トラウマにならないかなぁ…。

取れた小指はまたくっつく。行天は戻ってきた。

ライターのいたずらは、前作の2人の再会シーンも思い出させた。
たぶん、これからも2人はずっといっしょにいられる…そう思わせてくれたラスト。

「まほろ駅前狂騒曲」公式サイト

  


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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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★★★邦画・ま行日本映画

 

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奈可久う子(くう)

◆ドラマ・映画 エンタメ系ライター&ブロガー。◆ハウツーサイトやリクルート・キュレーションサイトなどで映画紹介のライターしておりました。(お仕事はいつでも有り難くお受けします)

◆映画の評点はあくまでも私感です。(平均が2.5で1と5は滅多に付けていません)

◆戦争とホロコーストテーマの作品観賞がライフワーク。

◆レビューは上半部はネタバレなし感想、下部は観了した方と感想を共有できるように書いています。(古い記事は簡単感想です。時間のある時にリライトしています)

◆姉妹ブログ「ドラマ@見とり八段」

映画感想@見取り八段

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