『アメリカン・ハッスル』人は信じたいものを信じる

アメリカン・ハッスル

原題: ~ AMERICAN HUSTLE ~

 

監督: デヴィッド・O・ラッセル
出演: クリスチャン・ベール、ブラッドリー・クーパー、エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロ、ルイス・C・K、マイケル・ペーニャ、アレッサンドロ・ニヴォラ
公開: 2014年1月31日

 

2014年2月1日。劇場観賞。

 

「ハッスル」…は、日本語的には「張り切る」や「頑張る」の意味だけれども、この場合は「詐欺」を意味する。

けれども、劇中の人たちは物すごく必死で頑張っているので両方の意味を掛けている感じ。上手いタイトル。

 

70年代のアメリカのバブリーな空気に音楽と共に盛り上がる。

…けれども、登場人物のやっている事は痛々しい。だって、みんな…酷いんだもの。

 

1979年に起きた実在の汚職スキャンダル「アブスキャム事件」をベースにしたドラマ。

あらすじ
1979年、アメリカのアトランティック・シティ。詐欺商売で身を立てていたアーヴィンは最強で美しいパートナー・シドニーと出会う。やがて2人はFBIの捜査官・リッチーのおとり捜査計画に協力するハメになるのだった。

 

実話ベースといってもあくまでも「ベース」であって実話をそのまま物語にしたわけではないらしい。…だよね。

計画はアーヴィンによって綿密に組まれたが、そうは上手く行かないもの。

「恋愛」という感情がドロドロと絡んで混乱していく。
その様子に笑ったりドキドキしたりガックリしたり…。

主に引っ掻き回すのがアーヴィンの妻、ロザリン。

本当に痛々しいほどお馬鹿さんなのだ。

寂しいのは解るんだけど…観ながら何度も心の中で「ちっ」「あっ」「ばかっ」とつぶやいてしまった。

キャストがラッセル組って感じに昨年見た『世界にひとつのプレイブック』と被っているのが笑えるほどだ。

ブラッドリー・クーパー、ここでも踊ってるし。

 

ジェニファー・ローレンスは、ここでも安定の精神不安定状態。

終わってみれば、自分はこの人を見に行ったんだなぁ…と思う。コギャル系、もしくは姐さん系。でもたまらなくかわいい…ネコ系動物の顔。
『アメリカン・ハッスル』感想 ジェニファー・ローレンス

爽快感はあった。面白かった。

けれども、あまりにも「アカデミー賞最多ノミネート」とか宣伝されて期待値上がりすぎていたので…予告ももっと笑えるコメディっぽい作りだったし。

そこまででは無かった、という印象。

爆笑…というよりも、他人の物欲を薄く笑いながら見る。

もちろん、自嘲や自戒を含めて…の話である。

 

人は信じたい物を信じ、見たい物を見る。
1つの作品を見てもその価値はそれぞれ違う。
狂信的にならないように、思いこまないように、騙されないように。

欲望も主張もほどほどに。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね
ブログランキング・にほんブログ村へ

 

やはり一番ドキドキしたのは、ヴィクター@ロバート・デ・ニーロとの対面シーンね。

この、捜査官が大富豪のアラブ王族に変装して囮捜査を行ったというのは実際にあったことらしいので驚く。
『アメリカン・ハッスル』感想

よく、よくバレなかったよね。…ってか、言葉解るんだったらそう言って~。 心臓止まりそうになるよ。

痛々しい一九分けの髪、ブヨブヨした身体のアーヴィン…。こんな事を続けていたら心臓に来るのも解る気がする。

上司に対する態度が滅茶苦茶過ぎる、出世に逸ったリッチー。

アーヴィンが自分を選んでくれなかった事に失望しつつも愛を捨てられないシドニー。

自分の思い通りにならない世界は呪うロザリン。

 

みんな痛々しいけれどもカワイイ人間。

 

それぞれのキャラクターと演じる役者さんたちのハッスルっぷりを湛えたい。。

 

 


アメリカン・ハッスル@ぴあ映画生活トラックバック
・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

※ Seesaaのトラックバック機能終了に伴い、トラックバックの受け付けは終了させていただきました。(今後のTBについて)

comment

タイトルとURLをコピーしました