映画@見取り八段

自己満足映画批評ブログです。邦画・洋画などジャンル問わず観賞。劇場上映中作品のネタバレ感想は別枠で表記。ランキングは年末総評価まとめで。

『沈まぬ太陽』理不尽な夕日

沈まぬ太陽

 

  

監督: 若松節朗   
出演: 渡辺謙、三浦友和、松雪泰子、鈴木京香、石坂浩二、香川照之、木村多江、清水美沙、鶴田真由、柏原崇、戸田恵梨香、大杉漣、西村雅彦、柴俊夫、風間トオル、山田辰夫、菅田俊、神山繁、草笛光子、宇津井健、小林稔侍、品川徹、加藤剛

公開: 2009年10月


この会社は何も答えをくれない!

10分の休憩を間に挟んでの202分の上映時間。

休憩なんて要らないんじゃ・・・と言うくらい、あっと言う間だった。
それだけ入り込める人間ドラマだった。

もう冒頭から・・・

ストーリーは、架空の航空会社NALを舞台に、架空の事故、群馬県御巣鷹山のジャンボジェット機墜落事故をベースに腐った会社組織、政治などに翻弄されつつも強く立ち向かう主人公を描いていく。

「クライマーズ・ハイ」の感想で、「御巣鷹山のジャンボジェット機 墜落事故を描いた物語ではありません」と書きましたが、こっちは、まさにそれを描いた部分が多いです。(架空らしいけど…と、言い張ってるけど汗.gif

原作は山崎豊子の同名長編小説。山崎豊子さんらしく、全くスッキリできないラストが待っている。

見終わった後は、多くの「なぜ?」を感じます。
まさに理不尽とはこういう事。

会社の社員のために戦い、会社のために尽くし、会社の犠牲になった人たちのために歩き回り・・・

それでも

この会社は何も答えてくれないんだ!

なのに恩地は会社を辞める事はない。
どんなに虐げられても、家族を犠牲にしても、歩き続ける会社人間。

その後ろ姿に、今の時代にはほとんど見る事ができない、流されない、屈しない、信念を曲げない、己の利に走らない清いリーダーの姿が見える。

だから、長い上映時間、彼を助けたくて、応援したくて 見守りたくて、ただ見入ってしまうのです。

渡辺謙さんが演じる恩地がその頼もしく清いリーダーに ピッタリだった。

彼を長年支え、待ち続ける妻に鈴木京香さん。
これも、今の時代にはなかなか見られない女性像。

俳優陣は、ただただ豪華。

ワンシーンしか出てこない上川隆也さん。。。 山崎豊子繋がりですか?笑.gif

重たくも見応えある傑作。

現在フジで放映中の「不毛地帯」→感想の1時間が 長くて仕方ないと言う方は、ぜひこちらを。笑.gif


ただね~。。。。。

驚くほど観客の年齢層が高かったのね。
そのせいでせっかちなのか。。。

私はラストの心に染みいるはずの、あの夕日が ほとんど見れていません!!!泣.gif

何故って、みんながスクリーンの前をどんどん ノロノロと通り過ぎていくから~…。汗.gif

何で、何で席を立ってしまうんだ。エンドロールで席を立ってしまう人も私的には有り得ないが、 あそこは、まだキャスト名が出てきたとは言え、 明らかに作品の最中じゃん!!怒2.gif

あの夕日に浸らないで、この映画に感動できるの
はぁ~。。。信じられない体験です。泣.gif

これから見に行く方には、もっとほとぼりが冷めて客数が減ってから行く事をお薦めしますわ。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 


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飛行機事故の無惨な現場に涙。
もの言わぬ棺桶が無機質に並ぶ会館の映像に背筋が寒くなる。

そんな中でも大会社の上は立場や今後の人事しか考えていない。

そもそも労働組合って会社の社員のための組織のはず。。。
このために尽力した結果が左遷人事って言うのが許せない。
この時代、まだ労働基準局という物は機能してないの

これだけ虐げられても、会社に居続ける恩地。
まさに「義」の人だ。

馬鹿正直で融通が利かなくて。。。でも憧れる生き方。
こういう人が出てこないと、社会はどんどん腐ってしまう。

何処かにこんな人いないかなぁ。。。
こんな人がリーダーだったら良いのに。


そう思いながら、私たちは今日も腐った組織の中で なあなあに生きている。

ラストのナイロビ行きは、見ている方としては悔しいけれども、 恩地には、長い休暇になるのかなぁ。。。

あの会長が職を離れて、恩地が日本を離れて。。。

一応、大雑把に膿が出たとは言え、 あの会社はこの後どうなるのだろうか。


かつて朝日の中、飛び立つ1号機を手を振って見送った恩地は、 今はナイロビに沈む夕日を見ている。

その心の中に平穏は訪れたのか。

私たちは彼に「お疲れさま」と言っていいのか。

答えは出ないまま。。。

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