映画@見取り八段

自己満足映画批評ブログです。邦画・洋画などジャンル問わず観賞。劇場上映中作品のネタバレ感想は別枠で表記。ランキングは年末総評価まとめで。

『硫黄島からの手紙』命の重さを考える

硫黄島からの手紙
~LETTERS FROM IWO JIMA~

    

監督:  クリント・イーストウッド
出演:  渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童、渡辺広、松崎悠希、尾崎英二郎、裕木奈江、安東生馬、県敏哉、ケン・ケンセイ、アキラ・カネダ、ルーカス・エリオット、マーク・モーゼス、ロクサーヌ・ハート、サイモン・リー

公開: 2006年12月


第79回 アカデミー賞 音響編集賞受賞


『父親たちの星条旗』は、見ていません。

硫黄島と言う島も、この島でこんな戦争があった事も、まるで知りませんでした。
この映画の宣伝と、先日見たドラマ「硫黄島~戦場の郵便配達」が、
硫黄島を知ったきっかけです。

ドラマと比べると映画の方は、ただ事実を見せている、と言った感じでした。
淡々と、事実を見せる。
残酷で、悲痛に満ちた、死に向かう世界。
そこにお涙頂戴のドラマは存在しない。

爆撃シーンでは迫ってくる戦闘機に本当に襲撃されている気がしました。
その迫力は夢に出てきそうなほど。
いや、実際はもっと凄かったはずです。
あれによって、何百人も何千人もが人形のようにやられていったのでしょう。

なのに、この島の兵士たちは、穴を掘っている。

オレ、墓穴を掘っているのかな。

西郷は思う。

無意味な労働。
くだらない規則と体罰。
そして、食料や水の不足と病魔が発生する悪環境。

日本本土を救う最後の礎。
そこは、そんな島だった。

硫黄島に赴任した栗林中将は、無意味な戦略を中止し、無駄な労働を止めさせ、連絡を取り合って、島の中で上手く兵士達を分配しつつ少しでも戦力を残していくシステムを考える。

自分の部隊が守れなかったら仲間と一緒にお国のために自決
と言う古い考え方を一掃した前進的な考えを持った栗林

しかし、そんな栗林のやり方に反感を覚える、古い考えの一派が多くの兵士を自決させてしまう。

手榴弾を胸に抱いて。。。

西郷のようにパン屋だったり。。。
あるいは洋品店の店主だったり、農家だったり。

そんな人たちが手榴弾を胸に抱いて無念の内に命を断っていく。



命って何なんだろう。
命とは、そんなに軽い物でいいのだろうか。
人は人に命を断てなどと命令する資格を持っているのだろうか。

それが出来てしまった、この時代が本当に恐い。

皆で靖国に帰る。

そんな事、誰もが望んでいた事では無かっただろうに。

硫黄島の発掘隊が、戦後、彼らの手紙が入った袋を掘り出す。

そこに書かれていた、この島で命を無くした人たちの言葉。
父に宛て、母に宛て、妻に宛て。。。

故郷へ帰りたかったであろう彼らの溢れるほどの想いがそこに綴られる。


見終わって、ただ呆然とするばかりでした。
こんな時代が再び来る日。。。私たちはそんな日を迎えてはならないのです。

映画館には人が溢れていました。
でも、観客のほとんどは高齢者でした。

こういう映画こそ、若い世代が見るべきなのにね。
そして、考えて欲しい。
自分たちの未来を守る事を。

この映画を撮ったのが、クリント・イーストウッドである事が 嬉しくもあり、意外でもありました。

私には、とても日本的な映画であるように思います。

この映画を観たアメリカの人たちは、どう考えるのか。。。
聞いてみたい気がします。


【関連記事】
・硫黄島~戦場の郵便配達 感想
・硫黄島からの手紙 公式サイト
・硫黄島の戦い - Wikipedia



この記事は2009年に楽天ブログからインポートしてきた過去記事です。
コメントはお引っ越し出来ましたが、トラックバックは引っ越せませんでした。


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